2005年1〜5月のブロイラー生産量は引き続き増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年1〜5月のブロイラー生産量は前年同期比5.5%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年1~5月のブロイラー生産量(可食処理ベース)は、前年同期比5.5%増の657万1千トンとなった。生産量は2004年10月以降8カ月連続して前年同月を上回って推移している。

 

● ● ● ひなふ化羽数が20カ月連続で前年同月を上回る ● ● ●

  生産量に大きく影響するひなふ化羽数は、5月に前年同月比1.6%増の8億2,341万羽となり、2003年10月以降20カ月連続で前年同月を上回っている。2005年1〜5月でも前年同期比2.0%増の39億5,627万羽となった。

 USDAは、ひなふ化羽数の増加や飼料価格が低下傾向で推移していることなどから、2005年の生産量も前年を3.8%上回るものと見込んでいる。

ブロイラーひなふ化羽数(対前年増減率)
資料:USDA /ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
参照:資料38ページ「ア ブロイラーの需給動向」

 

● ● ● 卸売価格はむね肉ともも肉で対照的な動き ● ● ●

   生産量の増加を背景に、生産者販売価格は5カ月連続で前年同月を下回っている。また、ブロイラー卸売価格(北東部の価格)ではむね肉(ボンレス)が2004年8月以降11カ月連続で前年同月を下回って推移している。6月のむね肉の卸売価格は、ポンド当たり137.3セント(キログラム当たり339円、1ドル=112円)と前年同月比45.4%安となり、価格は大幅に下落している。

 一方、もも(ホール)の6月の卸売価格は、ポンド当たり56.4セント(キログラム当たり139円)と、3カ月連続で前年同月を上回っており、むね肉とは異なる動きを示している。これは、ブロイラーの輸出量が大幅に増加しているためで、2005年1〜4月までの骨付きもも肉の輸出量は、前年同期比で17.7%増加している。特にもも肉の主要輸出先であるロシアおよびCIS諸国(独立国家共同体。旧ソ連から独立したウクライナなどの共和国の総称)向けの輸出量は1〜4月でみると、前年同期比14.9%増とかなり大きく増加した。

 また、ブロイラーの冷凍在庫数量は、全体では増加傾向が続いているが、もも肉(レッグクオーターおよびレッグ)のそれは、2004年12月以降6カ月連続で前年同月水準を下回っており、5月は前年同月比45.0%減の3万1千トンと大幅な減少となった(ブロイラー全体では30万1千トン(同0.8%減))。

生産者販売価格の推移(対前年増減率)
資料:USDA/ERS 「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
参照:資料39ページ「イ ブロイラーの価格」


もも肉の冷凍在庫の推移
資料:USDA /NASS「Cold Storage」
注:もも肉として保管されたもののみであり、パーツ、加工品に分類されたものを除く。

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