契約生産者の飼養頭数シェアは40%(2005年第2四半期豚飼養動向)


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 総飼養頭数は前年同期並み ● ● ●

 米国農務省(USDA)が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、2005年第2四半期(6月1日現在)の豚の総飼養頭数は、肥育豚価格が好調に推移していることなどを受けて、前年同期比0.2%増の6,081万2千頭となった。

 主要5州の飼養頭数についてみると、飼 養頭数が全米で最大のアイオワ州およびイリノイ州が前年同期比で増加となった一方、ノースカロライナ州、インディアナ州では前年同期比で減少した。

豚の飼養動向(2005年6月1日現在)
資料:NASS/USDA「Quartely Hogs and Pigs」
注1:肥育用、繁殖用ともに雌雄の計
2:前年比は04年6月1日現在のデータとの比較、
前回比は05年3月1日現在のデータとの比較

 区分別の飼養動向をみると、繁殖豚(雄を含む)が、前年同期比0.7%増の597万7千頭となった。一方、肥育豚は前年同期並みの5,483万4千頭となった。肥育豚について体重階層別にみると、120ポンド(約54キログラム)以上は前年同期比0.9%増となったが、120ポンド未満は同0.3%減となった。

 

● ● ● 契約生産者の飼養頭数シェアは40%台に到達 ● ● ●

 5,000頭以上の大規模の契約生産者の豚飼養頭数は、2005年第2四半期に初めて全体の飼養頭数の40%のシェアを占めることとなった。

 5,000頭以上の大規模の契約生産者の豚飼養頭数シェアは、98年まで20%台で推移してきたが、99年以降30%を上回り、さらに2003年以降は35%を超えて推移していた。養豚経営体全体の規模は拡大傾向で推移しており、5,000頭以上の経営体の豚飼養頭数シェアは2000年以降50%を超えているが、これに加えて垂直統合(パッカーが中心となって直接生産を管理するもの)または垂直的調整(生産者とパッカーがともに生産管理を行い、リスクも双方で負担するもの)による豚肉生産も着実に増加している。

契約生産者の豚飼養頭数シェアの推移
資料:USDA/NASS「Quartely Hogs and Pigs」
注:それ以外には、独立生産者、インテグレーター、5,000頭未満の契約生産者などを含む。

 規模を問わない契約生産者の戸数および飼養頭数を2002年の農業センサスでみると、米国全体ではそれぞれ8,805戸(全体に占める割合11.0%)、2,111万頭(同33.8%)となっている。

 ただし、これを州別にみると、伝統的な養豚生産州であるアイオワの契約生産者は、2,801戸(州全体に占める割合26.3%)、537万頭(同33.0%)となっている一方、垂直統合の進んでいるノースカロライナ州のそれは、1,305戸(同51.2%)、697万頭(同70.2%)と地域によって養豚の生産形態は、大きく異なっていることがうかがわれる。

豚飼養戸数、豚飼養頭数(2002年)
資料:2002年農業センサス
注1:戸数は2002年に1,000ドル以上の販売実績のある経営体の
数である。
2:飼養頭数は12月31日現在。

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