連邦政府、干ばつ対策見直し案発表 ● 豪 州


2003年からの干ばつ対策見直しを議論

 豪州連邦政府のトラス農相は4月6日、干ばつ支援対策の見直し案を発表した。

 豪州は、2002年前半から2003年後半まで、大規模な干ばつに襲われ、農家などが大きな被害を受けた。被害農家などに対しては、連邦政府や州政府および北部準州が「全国干ばつ政策」に沿って支援を行ったが、その際、いくつかの重要な検討課題が指摘された。問題となった点は、(1)連邦政府と州政府および北部準州間の干ばつ対策費用の負担割合、(2)干ばつ被害認定地域(例外的環境=EC認定地域)の認定手続きの遅れ、(3)EC認定地域として認定する際の透明性の確保などである。

 連邦政府と州政府などは、これらの問題点の解決に向けて産業界と協力して2003年後半から全国的な干ばつ対策見直し会議などを開き検討を行ってきた。



干ばつ対策見直しの6つのポイント

 今回、トラス農相が発表した干ばつ対策見直しのポイントは次のとおりである。

1.豪州政府は引き続き、EC認定地域の農家などの生活費などの収入支援に対しては、100%資金を拠出する。暫定的なEC認定地域における収入支援の場合も同様とする。

2.EC認定地域での事業支援に対しては、連邦政府と州政府などの費用負担率は、初年度が連邦政府 9:州政府など1、2 年目は5:5、その後は、5 年以内なら同様の負担割合とする。

3.事業支援のうち金利補助は、年間10万豪ドル(850万円;1 豪ドル=85円)を限度とするか、あるいは、事業を復旧させるための費用や干ばつ関連のための費用の補助に変更される。

4.全国モニタリングシステム(NMS)を踏まえてEC認定の手続きを簡易、迅速に進める。また、NMSは、将来、干ばつの到来に関する早期警報やデータ解析に基づいた支援を行えるような資料を提供する。なお、NMSは、連邦政府と州政府などによって出資されるが、州政府などの干ばつ認定事務に活用される。
 ・現在、EC認定はその地域の収入を基準に行われているが、生産量を基準とすることに変更される。
 ・州政府などは引き続きEC認定の手続きを取り扱う。ただし、申し込みは、NMSによって提供される情報に基づく合理的な手法によって行われる。

5.EC認定は従来どおり、20年から25年に1回程度の発生で、干ばつの状況が厳しく、かつ、それが予見できなかった場合に行われる。

6.連邦政府と州政府など、全国農業者連盟(NNF)は、州政府などの干ばつ認定と州政府などの干ばつ対策が調和するものであるよう協力し続ける。実際の干ばつ支援から将来の干ばつに対する対策に移行しても同様である。



連邦政府と州政府間の費用分担が依然、課題として残る

 トラス農相は、今回の干ばつ対策の見直しについて、「見直し案は、干ばつの認定のための煩雑な審査を改善し、農家などに対し、より早くより効果的な支援になる」と評価している。また、「連邦政府は、干ばつ支援や経費分担で財政的責務の軽減を求めていない」と述べるとともに、「州政府や準州政府は、EC経費の経費負担を同意すべきだ」と述べ、費用分担への州政府の積極的対応を訴えている。さらに、トラス農相は、農家へのEC支援措置の引き上げ強化の検討や、ほかの干ばつ対策の中で連邦政府が行う分野についての新しい財政的措置の検討についても言及している。

 一方、クインズランド州政府の第一次産業大臣は、「この見直し案は連邦政府との協議の中で作成されたが、州政府の費用分担に関しては、関与していない」と述べ、費用分担に関して現状の方式を続けたい意向を述べている。



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