中国の2005年の鶏肉生産、前年比2.5%増の見込み


鶏肉は豚肉に次ぐ主要食肉

 中国では、一般的に食肉と言えば豚肉を指してきた。しかしながら、目覚しい経済発展を背景として鶏肉生産量も著しく増大しており、今日では養鶏業は農村経済における一つの基幹産業として位置付けられている。中国農業部が公表した中国農業統計資料によると、2003年のブロイラーの飼養羽数は88億8千万羽となり、99年と比較すると95.4%増と2倍に迫る勢いで増加した。また、2003年の鶏肉生産量は1,312万トンで、99年との比較では17.6%増と大幅に増加している。



2004年の鶏肉生産量は前年並み

 以上のように順調に成長を続けてきた養鶏業であるが、2003年に猛威を振るったSARSによる風評被害や鳥インフルエンザの発生で2004年のブロイラー生産はある程度落ち込むのではないかと懸念された。政府はこれに対処するため、養鶏業に携わる者に対して厳格な疾病管理および環境保全や、的確なふん尿処理およびワクチン接種などを指導し事態の収拾に努めた。USDAによると、こうした政府の迅速な対応や養鶏業に対する援助などにより、2004年のブロイラー生産量は前年並みの98億 6 千万羽を維持すると予測されている。



2005年は前年比2.5%増加の見込み

 また、政府は2004年、農業税を段階的に5年間で撤廃することを決定するとともに、穀物生産農家に対する直接的な補助金の交付を開始した。こうした政策を背景とした飼料価格の低下などにより、USDAは2005年のブロイラー生産量を前年比2.5%増の100億羽に達するものと見込んでいる。



鶏肉消費も回復傾向

 2004年の鶏肉消費量は、鳥インフルエンザに対する懸念の増大から前年比3.7%減の990万トンとなったが、2005年は前年比1.0%増の999万トンに増加する見込みである。鶏肉消費量は、所得の増加や健康志向の高まりにより長期的には増加傾向を示すものと思われる。


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