2005年の鶏肉需給予測


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年生産、消費ともに増加見込み ● ● ●

 米国農務省(USDA)が先ごろ公表した鶏肉の需給予測によると、2004年のブロイラー生産量(可食処理ベース)は前年に比べて4.1%増の1,546万トン、また、2005年では同3.1%増の1,593万2千トンと、過去最高となった2004年をさらに上回るものと見込まれている。その要因の一つとして国内消費の増加が挙げられ、2004年は前年比3.7%増の38.4キログラムとなった1人当たり鶏肉消費量は、2005年では同2.4%増の39.3キログラムと鶏肉に対する国内需要はさらに拡大するものと見込まれている。

ブロイラーの需給予測
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 
注1:卸売価格は、12都市平均丸どり価格 
注2:輸出量は、可食処理ベース(骨付き)

● ● ● 在庫量の増加が価格に影響 ● ● ●

 生産量に大きく影響するひなふ化羽数をみると、2004年12月は前年同月に比べて1.7%増の7億9,305万羽と、2003年10月以降連続で前年同月を上回った。12月の対前年増加率はこれまでに比べやや縮小傾向にあるものの、2004年全体では前年を2.5%上回るものとなった。

 ブロイラー生産が安定的に推移する中、冷凍鶏肉の在庫量をみると、2004年当初の鳥インフルエンザ発生の影響などによる輸出量の減少から、2004年12月末の在庫量は前年比19.3%増の33万1千トンとなった。このような生産量および在庫量の増加はブロイラー価格に影響を及ぼし、2004年上半期までは上昇傾向にあったブロイラー価格も、同年後半では前年を下回る水準に向かい下降基調で推移している。USDAによると、2005年前半のブロイラーの卸売価格(12都市平均丸どり価格)は軒並み前年を下回って推移し、2005年平均価格は前年比3.5%安〜1.1%高の1ポンド当たり70〜75セント(1キログラム当たり162〜174円、1ドル=105円)程度と見込まれている。

冷凍鶏肉在庫量およびブロイラー卸売価格の推移
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:ブロイラーの卸売価格は、12都市平均丸どり価格(中抜き)

● ● ● 2005年輸出は増加傾向 ● ● ●

 USDAによると、2004年の鶏肉輸出量(可食処理ベース)は、前年に比べ6.4%減の209万トンと見込まれている。輸出量は、鳥インフルエンザ発生により各国で輸入停止措置が採られたことなどから7月までは前年をかなり大きく下回って推移したものの、中国向け輸出再開やドル安の傾向などを反映し、8i月以降は前年の水準を超えるまで回復している。USDAによると、2005年の輸出量は前年比7.6%増の224万8千トンまで増加するとされ、2005年の鶏肉需給は、拡大する国内需要や輸出の回復によりブロイラー生産は安定的に推移するものと見込まれている。


元のページに戻る