世界の飼料穀物需給


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 2004/05年度の飼料穀物生産量 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が2005年1月14日に発表した1月の2004/05年度(10月〜翌年9月)の飼料穀物需給予測によれば、世界の飼料穀物生産量は先月予測から700万トン増加し、記録的な9億9,600万トンに達するとされた。主要地域ではEU-25とアルゼンチンが増加している。

 飼料穀物生産量の7割を占めるトウモロコシをみると、米国での生産量が500万トン増加し7億100万トン、アルゼンチンが150万トン増加し1,700万トンとなり増加量では米国を凌いでいる。その他ウクライナの80万トン増加し880万トン、EU-25はイタリア、ベルギー、ルクセンブルグの増加により65万トン増加し5,250万トンとなるとされる。

● ● ● 飼料穀物の期末在庫量は増加 ● ● ●

 2004/05年度の消費量は、米国、メキシコ、ウクライナ、中国などで生産量の増加から価格が軟調となることから先月予測から増加し記録的な9億6,900万トンに達するとされる。期末在庫も、米国、南アフリカ、カナダ、ベトナム、ウクライナなどの生産量の増加から1億5,852万トンとされている。

● ● ● アルゼンチンが米国のトウモロコシ輸出の競争相手● ● ●

 アルゼンチン政府の発表によると2004/05年度のトウモロコシ生産予測が1,800〜1,900万トンとなり、過去最高を記録した1997/98年度の1,936万トンに迫る数字となることなどから、USDAはトウモロコシの輸出市場におけるアルゼンチンの輸出数量が増加し、米国との競争が激しくなるとの懸念を抱いている。

 なお、アルゼンチンのトウモロコシ生産の詳細は本誌トピックス欄「アルゼンチンの穀物生産量、大幅増加を予測」を参照のこと。

● ● ● 米国の輸出量は減少 ● ● ●

 この結果、2004/05年度の米国のトウモロコシ輸出量は、世界のトウモロコシ輸出量の6割を占めているが同2割を占めるアルゼンチンとの競争の激化による低調な販売により先月の予測から150万トン減少し4,950万トンとなるとされる。また、2004年12月末の輸出販売数量は700万トンとなり、前年に比べ900万トン以上減少したとしている。


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