2004/05年度の乳製品国際価格は引き続き堅調に推移


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● チーズ国際価格は前年度比17.2%高 ● ● ●

 昨年度(2003/04年度)の乳製品国際価格は、おう盛な乳製品需要と国際的な供給量不足を背景に堅調に推移した。豪州農業資源経済局(ABARE)が、このほど公表した四半期ごとの需給予測の中で、2004/05年度以降についても、今後とも解消が見込めない需給ギャップを背景に、全品目で引き続き価格高が維持されると予測している。品目別の予測は以下のとおり。

 2004/05年度のチーズの国際価格は、1iトン当たり2,763米ドル(約29万円、1i米ドル=105円)と、前年度と比較して17.2%の上昇を見込んでいる。

 豪州産チーズは、特に日本と西ヨーロッパ諸国での引き合いが強く、今後とも強い需要が維持されることから、両地域が中心となり引き続き国際価格を下支えすると見込まれる。また、東南アジアの需要もおう盛で、2004/05年度も同地域の所得の向上が期待できることから、需要の伸びが期待されている。

● ● ● バター国際価格はロシアの需要が一巡し、前年度比6.7%高 ● ● ●

 2004/05年度のバターの国際価格は、1トン当たり1,729米ドル(約18万2千円)と、前年度比6.7%の上昇を予測している。

 前年度比36.7%高まで価格が跳ね上がった2003/04年度は、原油価格の高騰などを背景に、ロシア、中東諸国、北アフリカ諸国などの需要が強かった。一方、供給面では、国際市場のおけるバター輸出シェア50%を占めるニュージーランド(NZ)の輸出成長が鈍化したことから、供給量の不足が続き、結果的に国際価格の高騰を招いたとしている。

 2004/05年度については、ロシアにおけるバター需要が一巡し、また豪州およびNZの輸出能力が回復することから、価格上昇率も大幅に縮小するものと見込んでいる。

● ● ● 脱脂粉乳国際価格はチーズへの生産シフトから依然高水準 ● ● ●

 2004/05年度の脱脂粉乳の国際価格は、1トン当たり2,054米ドル(約21万6千円)と、前年度比10.3%の上昇を予測している。

 
乳製品国際価格の推移
 
  注:2003/04年は概算値、2004/05年は予測値
資料:ABARE「Australian Commodeities 04.4 December Quarter」
   

 2003/04年度はアジアとEUの根強い需要と主要輸出国の生産低迷を受けて、前年度比17.3%の価格上昇が見られた。2004/05年度も、引き続き中国、東南アジアなどでの引き合いが強まるものと見込まれている。一方、供給面では、脱脂粉乳輸出の世界シェア50%を占める豪州およびNZが、利益率の高いチーズに生産・輸出をシフトさせつつあることから、今後とも需給のひっ迫傾向は続くものと見られている。

 2004/05年度に入って脱脂粉乳の国際価格は、米国およびEUの在庫量減少を受けて、一時、前年同月比25%高の2,250米ドル(約23万6千円)まで値上がりするなど、上昇基調で推移している。


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