EFSAの運営理事会、2005年の活動計画を承認  ● 欧 州


体制整備の重要性を強調

 欧州食品安全機関(EFSA)の運営理事会(Management Board)は1月18日、2005年の活動計画を承認した。この活動計画によれば、2005年はEFSAがイタリアのパルマを恒久的所在地とすることと合わせ、完全な業務を実施できる体制を確立するため、組織を拡大する非常に重要な年であるとしている。なお、運営理事会は欧州議会から指名された、加盟国内の卓越した見識を有する者14名と欧州委員会の代表の合計15名で構成され、EFSAの予算案と活動計画の承認などを行う。

 2005年の活動計画では、EFSAは課せられた責務を果たすと共に、欧州および各加盟国の機関や、関係者、一般市民の期待にこたえ続けるため、すべての分野における能力をさらに高めることとしており、5年契約の職員数を2004年末の102名から倍増し、194名にするとしている。また、EFSAが効果的にリスク評価の分野における責務を果たすために、高度な科学的専門知識を有するより優れた科学者を職員に迎え続けることは、EFSAにとって非常に重要なことであるとしている。

 一方、EFSAの活動の中心である科学の分野における2005年の主要目標の一つが、科学委員会および科学パネルが多くの科学的な意見や助言を出すことができるように、科学委員会などへの職員による支援を更に強化することであるとしている。なお、2005年には、欧州委員会や、欧州議会および加盟各国から170以上の事柄についての科学的意見を求められると予想されており、また、リスク評価手法の方法論の統一など、EFSA自らの発議による課題数は限られているものの、その重要性を増してくると見られている。

2005年の科学パネルの主なテーマ

 EFSAには科学的な意見などを出すために、食品添加物、香料に関するパネル、飼料添加物、飼料成分に関するパネル、植物衛生、農薬およびその残留に関するパネルなど8つの科学パネルがあるが、これらパネルにおけるテーマのうち特に畜産に関係が深いと考えられる主なものは次のとおり。

・ フードチェーンにおける汚染に関するパネル:動物または人間に対する暴露および健康への影響の可能性に関する広範な情報の評価に関すること、また、非ダイオキシン様(non-dioxin-like)ポリ塩化ビフェニール類(PCBs)の暴露による動物および人間の健康へのリスクの評価に関すること。

・ 遺伝子組み換え(GM)作物に関するパネル:GM飼料の安全性評価のための給餌試験の実施に関すること。

・ 生物学的危険に関するパネル:BSEに関連した特定危険部位(SRM)の処分に係るリスクに関すること。

・ 家畜衛生および動物福祉に関するパネル:アフリカ豚コレラなど、外来疾病の進入可能性のリスクに関すること、また、搾乳牛、豚、およびウサギなどの実験動物の福祉に関すること。


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