2005年第1四半期のブロイラーの生産・価格動向


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 第1四半期の生産量は前年比4.1%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年3月のブロイラー生産量(可食処理ベース・骨付き)は、前年同月に比べて4.1%増の137万4千トンとなった。また、第1四半期全体でみても前年同期比3.6%増の382万4千トンと、国内需要の高まりを受け過去最高となった2004年の水準をさらに上回って推移している。

 

● ● ● ひなふ化羽数も前年を上回って推移 ● ● ●

 生産量に大きく影響するひなふ化羽数をみると、2005年2月では前年同月に比べて3.2%増の7億3,127万羽となった。ひなふ化羽数は、2003年前半までは前年同月を下回っていたものの、2003年10月以降17カ月連続で前年同月を上回って推移している。また、2004年7月以降の対前年増加率をみるとやや上昇傾向にあり、ブロイラー生産が安定的に推移していることがうかがえる。

ひなふ化羽数の推移
資料:ERS/USDA「Dairy,Livestock and Poultry Outlook」


● ● ● 第1四半期のブロイラー価格は軟調 ● ● ●

 このようにブロイラー生産が安定的に推移する中、2005年第1四半期の価格動向をみると、3月の生体の生産者販売価格は、前年同月に比べて6.4%安の1ポンド当たり44セント(1 キログラム当たり105円、1 ドル=108円)となった。生産者販売価格は2003年2月以降連続で前年同月を上回り、さらに2004年前半では記録的な高値で推移する牛肉および豚肉の代替需要を受け高騰が続いた。しかし同年半ば以降は、生産量や冷凍鶏肉在庫量の増加に伴い下降基調で推移し、2005年2月では2年ぶりに前年同月を下回った。

 また、3月のブロイラーの卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、前年同月に比べて3.1%安の同73セント(同174円)となった。さらに卸売価格を部位別にみても、むね肉(ボンレス、北東部)は同26.4%安の148セント(同352円)、もも肉(ホール、北東部)は同3.1%安の44セント(同105円)と、2005年第1四半期のブロイラー価格は軒並み軟調に推移している。

 USDAによると、(1)2005年のブロイラー生産は前年比3.1%増の1,545万トンと今後も拡大傾向で推移、(2)価格はドル安傾向などによる輸出量の増加を反映した鶏肉在庫の減少などから2005年後半以降は上昇傾向で推移−するものと見込まれている。

冷凍鶏肉在庫量およびブロイラー卸売価格の推移
資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注:ブロイラーの卸売価格は、12都市平均丸どり価格(中抜き)

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