第1四半期の豚と畜頭数、わずかに減少する見通し


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年第1四半期の豚と畜頭数、前年同期比2.1%減 ● ● ●

 欧州統計局(EUROSTAT)はこのほど、2005年第1四半期(1〜3月)のEU25カ国における当面の豚と畜予測を公表した。それによると、豚と畜頭数は6,057万頭となり、前年同期に比べて2.1%減少する見通しとなった。

 と畜動向を地域別にみると、EU15カ国の2005年第1四半期のと畜頭数は、5,115万頭と減少率は1.4%にとどまったものの、2005年5月に新たに加盟した10カ国(NMS)は5.8%減の942万頭と減少幅が大きくなっている。

EUの豚と畜動向の推移
資料:欧州統計局


● ● ● 際立つNMSの減少幅 ● ● ●

 国別では、EU域内最大のと畜頭数を誇るドイツが前年同期比3.2%減の1,040万頭となったほか、第2位のスペインも0.4%減の927万頭とわずかながら減少している。

 一方、NMSのEU全体のと畜に占める割合は15%程度と大きくないものの、その中では最大の生産国であり、EU25カ国の中でもドイツ、スペイン、フランス、デンマークに次ぐ第5位の生産国のポーランドが7.0%減の559万頭、NMSの中でポーランドに次いで生産量が多いハンガリーが11.9%減の123万頭と減少幅が大きくなっている。このようにNMS諸国の豚と畜が減少する中、欧州委員会は、これらの国の豚肉消費量は増加傾向で推移するとしていることから、今後、域内の豚肉貿易が活発化する可能性が高いと見ている。

 

● ● ● 2005年のNMSの豚肉生産、増加基調の予測も ● ● ●

 なお、2005年におけるNMSの豚肉生産予測について、他の分析機関も前年に比べ増加するとの見解を発表している。米国農務省(USDA)は、2005年のポーランドの豚肉生産は、輸出需要の増加や肥育豚の農家販売価格の上昇などから前年を上回るとしている。また、ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によると、2005年のハンガリーの豚肉生産も、繁殖豚などの再構築が進むことから、前年比2.6%増の35万5千トンに増加すると予測されている。


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