米国畜産団体、議会のCAFTA早期承認を要請


NPPC、国会議員全員に書簡を送付

全国豚肉生産者協議会(NPPC)は3月17日、米国議会の議員全員に米・中米自由貿易協定(CAFTA−DR)の早期承認を求める書簡を送ったことを明らかにした。

 CAFTA−DRについてはグアテマラの議会が3月10日にこれを承認したことから、同国、エルサルバドル、ホンジュラスで国内承認手続きが終了し、米国、コスタリカ、ニカラグア、ドミニカ共和国の4カ国での国内手続きを残すこととなった。

 CAFTA−DRの実施により、米国産豚肉に対し無税枠の拡大による市場アクセスが確保されるのみならず、15年間の実施期間の終了後には関税が完全に撤廃される。また、アイオワ大学の経済学者はCAFTA−DRにより年間2万トンの輸出の増大が見込まれ、肥育豚1頭当たり36セント(約39円、1ドル=108円)の価格上昇をもたらし、米国の肉豚生産者にかなりの効果をもたらすとの試算を示している。

 NPPCは、3月3〜5日の日程でフロリダで開催された年次総会でも、CAFTA−DRの早期承認を主要議題の一つとしていた。



NCBAも議会への働きかけを開始

 全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は3月22日、議会が2週間の休暇に入るため、同協会の会員にCAFTA−DRの米国議会による早期承認を求めるため、地元選出の議員への草の根運動の開始を呼びかける書簡を配布した。会員には中央アメリカ諸国が米国に対し最恵国待遇の下で無税による牛肉の輸出が認められており不公平が生じているとして、CAFTA−DRの早期議会承認を求めるよう求めている。

 NCBAは、CAFTA−DRの実施により、(1)現行の15〜30%の実効税率の撤廃、(2)動物検疫について措置の同等の承認、(3)中南米諸国への投資の増大に伴う個人所得の増加により、現在の年間1,250万ドル(約13億5,000万円)の牛肉輸出金額が2015年には3倍の4,100万ドル(約44億2,800万円)に拡大するものと見込んでいる。

 また、CAFTA−DRの実施により、すべての国で米国産の高品質牛肉(プライム級およびチョイス級)に対する無税枠が割り当てられるとともに、15年間で関税が撤廃される。ただし、コスタリカおよびニカラグアの2カ国については実施期間中のセーフガード措置が認められている。

 

◎エジプト、米国産牛肉の輸入再開を決定

 米国農務省(USDA)は、3月21日、エジプトが間もなく30カ月齢未満の牛由来の牛肉および牛肉製品の輸入を再開することを公表した。

 ジョハンズ農務長官は、「米国産牛肉の輸出にとって重要な市場の再開を大変喜んでおり、輸出が短期間でBSE以前の水準まで回復することを期待する。USDAは、牛肉の世界的な貿易における科学に基づいた規則の適用の奨励により、他の市場の開放に焦点を絞って努力を継続していく」との声明を公表した。

 エジプトとの合意では、USDA農業マーケティング局による牛肉輸出証明プログラムにより牛の月齢と出生地に関する要件が付されているとされる。エジプトは2003年に3,000万ドル(約32億4,000万円)の米国産牛肉および牛肉製品を輸入しているが、その約65%が肝臓であった。


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