記録的な水準で推移した2004/05年度の牛肉輸出量


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2004/05年度の牛肉輸出量は過去2番目の高水準 ● ● ●

 2004/05年度の豪州牛肉輸出量は、過去10年間で2番目に高い水準となった。豪州農漁林業省(DAFF)によれば、2004/05年度の牛肉輸出量は前年度比10.2%増の94万8千トンと、2000/01年度に次ぐ高い水準を記録した。内訳でみると、冷蔵牛肉が同27.4%増22万6千トン、冷凍牛肉が同4.1%増の63万4千トンと、特に冷蔵牛肉の大幅な増加が目立っている。また、仕向け先の大部分は、日本、米国および韓国となっている。

牛肉輸出量の推移



資料:DAFF

● ● ● 日本向けはグレインフェッドが急増 ● ● ●

 仕向け先主要3カ国の中では、特に日本向けの伸びが目立った。DAFFによれば、2004/05年度の対日牛肉輸出量は、41万9千トンと前年度比26.7%の増加となった。内訳では、グラスフェッド(牧草肥育)輸出量が同15%増の22万7千トン、グレインフェッド(穀物肥育)輸出量が同45%増の19万2千トンとなり、グレインフェッド輸出量は前年度比1.5倍の増加となった。

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によれば、米国産牛肉の輸入停止による輸入国の需給ギャップを埋めるため、豪州のフィードロットの飼養頭数を拡大したことにより、輸入国が求める特徴や品質に合致した牛肉を供給することが可能になったとしている。輸出量を生産州別に見ても、フィードロット飼養頭数の8割が集中するクイーンズランド(QLD)州およびニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州では、日本向けシェアがそれぞれ前年度比4.0ポイント上昇の43.2%、同5.8ポイント上昇の48.6%となっている。



生産州別牛肉輸出量の推移



資料:DAFF

● ● ● 米国向けは1.4%増、韓国向けは20.7%増 ● ● ●

 一方、米国向けの輸出はグラスフェッドを中心に依然底堅い。DAFFによれば、2004/05年度の対米牛肉輸出量は、前年度比1.4%増の36万6千トンとなった。米国では牛肉需要がおう盛であったにもかかわらず、カナダからの輸入停止により国内供給が依然厳しい状況にあることから、豪州産牛肉への引き合いは強かった。

 また、韓国向けは、米国産牛肉の輸入停止が影響して過去2番目に高い輸出水準となった。DAFFによれば、2004/05年度の対韓牛肉輸出量は前年度比20.7%増の9万1千トンとなった。韓国向けも日本向け同様、増加のほとんどがグレインフェッドであり、韓国向けグレインフェッド輸出量は同123%増の1万7千トンとなった。



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