上半期の調製品輸出は2割増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年上半期の輸出状況復 ● ● ●

 現在も依然として国内各地で発生を繰り返す鳥インフルエンザの影響により、冷凍鶏肉の輸出は未だ再開されていない。タイブロイラー加工輸出協会による6月末までの輸出状況を見ると、冷凍鶏肉の2005年の輸出量はゼロで推移している。なお関税局統計でわずかながら冷凍鶏肉の実績として計上されているのは、その単価から加熱加工品が誤って集計されたことなどが理由として考えられる。

 一方、日本やEU仕向けの承認を受けた特定加工場で加熱加工された鶏肉調製品の輸出は好調で、月ごとに変動はあるものの月間1万4千〜2万4千トンが輸出されている。

 なお農業協同組合省発表によるブロイラー生産羽数は、昨年11月の4千3百万羽以降緩やかに回復し、4月はおよそ6千万羽となっている。


● ● ● 2005年の調製品輸出見込み● ● ●

 ブロイラー加工輸出協会は7月中旬、今年の鶏肉調製品輸出見込みを30万トン、輸出額を340億バーツ(918億円:1バーツ=2.7円)としている。上半期の調製品輸出実績が11万8千トンであることから、この予測によると下半期の調製品の輸出量は月間3万トンを達成する必要がある。なお、昨年同期の輸出量は9万7千トンで、22%の大幅な増加となっている。

 同協会によると2004年の平均冷凍鶏肉価格はキログラム当たり66バーツ(178円)、調製品は同120バーツ(324円)とし、2005年の平均調製品価格を113〜120バーツ(305〜324円)としている。


● ● ● 調製品の国別輸出状況 ● ● ●

 輸出先別に見ると、日系サプライヤーを中心に日本向け鶏肉調製品の輸出が好調であったことなどを背景に、日本仕向けが前年同期比114%増の約6万6千トンと特徴的な増加を示している。

 これに対しEU諸国向けは前年同期比29%増の4万6千トンとなっている。一方、アジア(日本除く)全体では同33%増の5,569トンとなっている。

 EU向けの需要の伸びは主にイギリスからの引き合いによるもので、オランダは堅調に推移している。ドイツは同2%減少しているが、これは2月から4月までの実績が低いためで、5月以降は月間800トン台後半で、増加傾向で推移している。日本以外のアジア地域における需要の伸びは韓国のみによるもので、前年同期の112トンに対し、今年は2千トン余りを輸入している。ただし、その他のアジア地域は前年実績を下回っている。

ブロイラー輸出の動向(1月〜6月)

● ● ● 日タイ両国、FTA締結に基本合意● ● ●

 タイ外務省の発表によると、8月1日に日タイ両国間でFTA締結に関して基本合意されたうち鶏肉関連の取扱いとしては、段階的関税削減グループに属する品目として、鶏肉調製品を5年以内に現行の6%から3%に削減、現在輸出は停止しているものの生鮮・冷凍鶏肉の関税を同じく5年以内に現行の11.9%から8.5%に削減するとされた。
国別輸出状況(2005年1月〜6月)


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