米国、世界の粗粒穀物需給予測


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 米国の2005/06年度粗粒穀物供給量は、流通在庫増を背景に拡大 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が7月14日に公表した米国の粗粒穀物需給予測によると、2005/06年度の供給量は、在庫の増加を背景に1986/87年度以来の高水準にあるとしている。また、最近における販売量、輸出量のペースは当初見込みより幾分強含みに推移しているとの判断がなされている。

 2005/06年度の生産量は、前月見込みから480万トン減少し、2億9,100万トンに修正された。これは、2004/05年度を2,790万トン下回ることになる。6月30日に公表された作付面積報告(Acreage)は、ソルガムと大麦の作付面積は減少する一方、トウモロコシとえん麦の作付面積は、当初計画から増加している。

 2005/06年度の供給量は、前月見込みを2パーセント下回り、3億5,200万トンと見込まれている。これは2004/05年度に比べ190万トン多い。えん麦を除き、期首在庫は、供給増から1986/87年度以来の高水準で推移しているが、2005/06年度の期首在庫は、2004/05年度の輸出増により、前月見込みから310万トン減少し5,860万トンに修正されている。

 2004/05年度の総需要量は、輸出の伸びを背景に、前月見込みより310万トン増加し、2億9,100万トンに修正された。飼料などの需要量は増加が見込まれるとのことであるが、食用、種子および産業用の需要は、わずかに減少するとのことである。2005/06年度の飼料などの需要量は、1億5,700万トンと見込まれている。このうちの9割はトウモロコシであり、また、飼料などの需要量は総需要量の5割強を占めている。

 2005/06年度の期末在庫は、6,200万トンと見込まれている。これは、前月見込みを800万トン下回るが、2004/05年度に比べて320万トン上回ることになる。2005/06年度の生産者価格は、生産減少などから上昇すると見込まれている。


● ● ● 世界の2005/06年度の粗粒穀物生産量は減少 ● ● ●

 USDAが7月12日に公表した世界の粗粒穀物需給予測によると、2005/06年度は、前月見込みより期首在庫、生産量、需要量および期末在庫について減少が見込まれている。

 生産量は、米国、カナダ、ウクライナおよびアルジェリアなどの国で減産が見込まれており、前月見込みから700万トン減少し、9億4,400万トンに修正された。カナダは、オンタリオ州の一部地域で降雨量が減少したこと、ウクライナは作付面積が減少したことによる。なお、EU25カ国は、スペインで干ばつがあったが、ハンガリーがその減産分を補ったことから、EU25カ国全体では、ほとんど増減がないとしている。

 需要量は、ブラジルとウクライナの減少から、わずかに前月見込みを下回るとのことである。輸出と輸入を併せた貿易量は、ほとんど変更がない。

 期末在庫は、前月見込みを900万トン下回り、1億5,100万トンと見込まれている。大きく在庫を減少した国は、米国、カナダおよびEU25カ国である。

粗豆粒穀物需給表

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