米国上院、米・中米自由貿易協定を承認


米国上院、CAFTA-DRの承認のための投票を実施

 米国上院は6月30日、米・中米自由貿易協定(CAFTA-DR)の信認投票を行い、賛成54、反対45でこれを承認した。同協定については、同日に下院歳入委員会が、下院で審議を行うための法案を提出することを可決している。

 ジョハンズ米国農務長官は同日、上院での承認および下院歳入委員会によるCAFTA-DR支持を賞賛するとともに、下院で同協定が速やかに審議され投票を実施することを希望するとの声明を公表した。


分かれる農業者団体の支持

 全国豚肉生産者協議会(NPPC)は、「豚肉生産者とともにCAFTA-DRを支持した上院議員に感謝する。CAFTA-DRの承認通過はNPPCの本年の最重要案件である」との声明を公表した。アメリカ食肉協会(AMI)も「今回の投票は米国の農産物貿易機会と米国農業の広範な市場アクセスをもたらすための重要な一歩である」との声明を公表している。また、全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)や全国生乳生産者連盟(NMPF)も以前からCAFTA-DR支持を表明しており、主要な米国の畜産関係団体は同自由貿易協定を支持している状況にある。他方、ファーマーズ・ユニオン(NFU)は、54対45との上院の投票結果は近年承認された貿易協定の中でも最も僅差であり、この協定に対する一般的な支持の低さを反映するものであるとし、「この誤った貿易計画に反対し、CAFTA-DRに反対票を上院議員が投じたことに勇気づけられた」との声明を公表した。NFUは、CAFTA-DRが労働法規、環境法規および流通などの主要な課題を無視するものであり、米国の農産物を海外からの調達の脅威にさらすものであるとして反対している。


◎USDA、BSE陽性牛に係る疫学調査を継続

 米国農務省(USDA)は2頭目のBSE陽性牛の疫学調査の進展状況について7月6日現在の状況として以下のことを公表した。

 今回の陽性牛は黄色またはクリーム色のブラーマン種の交雑種。2004年11月11日にテキサス州の家畜市場を経由して販売されるまで、同じ農場内で飼育されていた。当該牛は直近の産子の離乳後も状態が不良であったために販売された。家畜市場内で「横臥」したとの報告があった。

 当該牛は11月15日に連邦政府により検査が行われている施設に輸送されたが、到着時には既に死亡していた。このため、車両から降ろすことなく検査に供された。枝肉は当日遅く、強化されたBSEサーベイランスの一貫として採材が行われ、テキサス州内のペットフード工場に搬送された。

 陽性牛の生産された牛群の詳細な目録作成と調査対象牛の仕分けの作業が進行中である。当該牛と似通った誕生日のグループと同じ飼料が給与されたものが精査されており、判明次第、検査のために牛群から隔離される。当該牛の直近の2頭の産子は調査対象であり、農場の販売記録を通じて追跡中である。

 DNA検査による確認の結果、当該牛群が感染牛の生産された群であることが判明した。当該農場から販売された大半の牛はこれまで2つの施設で販売された。販売およびワクチネーションの記録が再調査されている。

 USDAおよびFDAは協力して飼料の使用歴、直近の飼料給与状況、飼料原料の所在を調査中である。


元のページに戻る