好調な2005年の牛肉生産


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● と畜頭数減少も1頭当たりの枝肉重量は過去最高 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年のと畜頭数は前年比1.0%減の3,238万8千頭と、90年以来の低い水準になった。これは、全米総飼養頭数が、2004年まで減少傾向で推移し、10年前と比べて依然として低水準にあることが背景にある。一方、2005年は飼料価格が安値で推移したことから、フィードロットにおける出荷重量の増加を後押しした。1頭当たりの枝肉重量をみると、同1.7%増の349キログラムと過去最高を記録している。また、牛肉生産量も同0.5%増の1,119万6千トンと増加した。

図1 と畜頭数と1頭当たりの枝肉生産量の推移

資料:USDA


● ● ● 肥育素牛価格、肥育牛価格がともに過去最高 ● ● ●

 USDAによると、2005年の肥育素牛価格(加重平均)は、フィードロットへの導入頭数の増加を受けて、前年比7.4%高の100ポンド当たり120.0ドル(キログラム当たり310円:1ドル=117円)と記録的な高値となった。肥育牛価格(加重平均)も同3.0%高の100ポンド当たり87.3ドル(キログラム当たり225円)と同様に過去最高値を記録している。一方、と畜向け経産牛価格(加重平均)は、年前半まで上昇傾向にあったものの、年後半にかけて前年同月比で大幅な下落となったことから、同0.6%高の100ポンド当たり55.5ドル(キログラム当たり143円)と微増にとどまった。しかし、年後半にかけて前年同月を下回ったものの、経産牛と畜頭数が記録的な低水準にあることから、と畜向け経産牛価格は安値安定傾向となっており、今後とも50ドル半ばの水準を維持するものと見込まれている。

図2 家畜価格の推移

資料:USDA


● ● ● 牛肉生産の増加傾向は2008年まで続く見込み ● ● ●

 USDAによると、2006年の牛肉生産量は、前年比5.1%増の1,177万1千トンと見込んでいる。生産の増加傾向は、2006年夏に増加が見込まれる子牛が出荷される2008年まで続くものと予測されている。


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