先行き不透明で乳製品価格は軟化


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年2月の乳製品価格は軒並み下落へ ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年2月のバターの卸売価格は前年同月比26.1%安のポンド当たり119.3セント(キログラム当たり308円:1ドル=117円)、脱脂粉乳の卸売価格は同5.7%安のポンド当たり88.1セント(キログラム当たり227円)、チーズの卸売価格が同6.7%安の192.1セント(キログラム当たり496円)と軒並み下落となった。

 取引が停滞する冬の低迷期を迎えたことに加え、2005年の生乳生産量が前年比3.5%増加したこと、季節的に乳製品の在庫が減少する2005年秋に期待されたほど在庫が取り崩されなかったことが価格下落の要因となっている。USDAによれば、市場関係者は2006年も続く生乳生産の増加傾向と乳製品需要の先行き不透明感から、2006年後半までの買い控えを模索し始めているとしている。

図1 バター価格の推移

資料:USDA


● ● ● 脱脂粉乳価格が17カ月ぶりに前年同月を下回る ● ● ●

 脱脂粉乳価格は2004年9月以来前年同月を上回って推移してきたが、2006年2月は17カ月ぶりに前年同月を下回った。脱脂粉乳生産が季節的に増加の時期を迎えており、供給の拡大は将来の価格下落を見越した市場関係者の買い控えを招いているとされている。

 対して、脱脂粉乳の国際市場は引き続き需給のひっ迫傾向が続いている。米国を除いた輸出国の供給能力に限界が見える一方で、粉乳の輸入需要は依然として根強く推移している。

図2 脱脂粉乳価格の推移

資料:USDA


● ● ● 下半期の見通しが立つまで価格の不透明感は続く ● ● ●

 USDAによると、今後とも生乳生産が国内需要を上回る勢いで拡大すると予測されており、2006年の乳製品卸売価格も値下がりが続くものと見込まれている。ただし、この予測は生乳生産の動向次第であり、2006年下半期の見通しが立つまで明確な価格変動の傾向を見出しにくいともしている。


元のページに戻る