干ばつ以降、肉用牛飼養頭数は着実に増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006/07年度の肉用牛飼養頭数は、前年度比2.5%増の2,920万頭に ● ● ●

 豪州農業資源経済局(ABARE)は6月、四半期ごとの農産品需給予測を公表した。それによると、肉用牛飼養頭数は、2002/03年度の干ばつ以降着実に増加しており、2005/06年度は、飼養環境の改善および生産者による牛群再構築が引き続き行われていることで、前年度比2.9%増の2,850万頭(6月30日時点)を見込んでいる。また、2006/07年度は、この数年間の高水準の取引価格が、今後とも継続するのではないかといった生産者の思惑から、前年度比2.5%増の2,920万頭(同)としている。

  2006/07年度の牛肉生産量は、米国産牛肉の輸入再開で一転減少に向かったと畜頭数が回復することや、飼養環境の改善による枝肉重量の増加から、前年度比3.9%増の214万トンを見込んでいる。

肉用牛飼養頭数、と畜頭数、牛肉生産量

資料:ABARE
注:肉牛飼養頭数は各年6月30日時点

● ● ● 2006/07年度の家畜市場取引価格、対日輸出価格はともに下落 ● ● ●

 一方、2006/07年度の家畜市場取引価格は下落が予想されている。ABAREの予測によると、2006/07年度の加重平均家畜市場取引価格(生体重量ベース)は前年度比で10.2%安のキログラム当たり2.90豪ドル(252円:1豪ドル=87円)としている。価格下落の要因としてABAREは、豪州の牛肉生産量の増加や、日本を中心にアジア地域における米国産牛肉の輸入再開による輸出量減少の影響を挙げている。この結果、豪州国内での牛肉需給はだぶつきが予想され、状況によっては、さらに下落することもあると分析している。

  さらに、対日輸出価格(C&F価格ベース)についても米国産牛肉輸入再開の影響で下落が見込まれている。ABAREは、2006/07年度の対日価格を前年度のキログラム当たり4.32米ドル(501円:1米ドル=116円)から7.4%安の同4.00米ドル(464円)と予測している。

輸入量、日本向け輸出価格

資料:ABARE
注:輸出量は、船積重量ベース

● ● ● 2006/07年度の輸出量は増加する一方、価格下落で輸出額は低下 ● ● ●

 2006/07年度の牛肉輸出量についてABAREは、日本、米国、韓国といった主要輸出市場では減少となるが、カナダやその他のアジア市場向けの輸出増により、前年度比2.7%増の91万5千トンを見込んでいる。また、生体牛輸出についても、肉牛価格の低下と豪ドル安が予測されていることを背景に前年度比12.0%増の58万頭とみている。ABAREによれば、2006/07年度の牛肉輸出額は、輸出数量は増加に対し輸出価格の値下がりから、前年度比8.4%減の40億3,800万豪ドル(3,513億円)と予測している。

家畜市場取引価格、輸出価格

資料:ABARE
注:米国向け輸出価格はCIF価格ベースで、日本向けはC&F価格ベース


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