第1四半期の鶏肉調製品輸出量は増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 卸売価格は前月に引き続き下落 ● ● ●

 タイ農業・協同組合省によると、3月のブロイラー生産量は前年同月比17%増の6千8百万羽となった。生産量は、前年同月を上回る水準で推移しているものの、昨年6月以降続いていた7千万羽台の水準は下回った。ひなふ化羽数は、同17%増の7千1百万羽となった。

 3月の卸売価格(生体)は、同16%安のキログラム当たり25.7バーツとなった。2月の卸売価格(生体)同28.8バーツと比較しても11%安となっており、2カ月続けて前年同月比、前月比ともに下回った。

卸売価格と生産量

   資料:生産量は農業経済局、卸売価格は商務省国内取引局


● ● ● 第1四半期の鶏肉調製品輸出量は12%増加 ● ● ●

 3月の鶏肉調製品の輸出量は、前年同月比1.7%増の約2万1千トンとなった。

 主な輸出国別でみると、日本は同10%減の約9千トン、英国は同21%増の約7千トン、オランダは同4%増の約2千トンとなった。

 この結果、2006年第1四半期(1〜3月)の輸出量は約6万トンとなり、前年同期(2005年1〜3月)の実績約5万3千トンを12%上回った。国別では、日本は同3%減の約2万5千トンとなったが、EU諸国全体では同32%増と大幅に増加している。特に、英国は同42%増の約2万1千トン、オランダは同15%増の約6千トン、ドイツが同53%増の約3千トンとなり、増加が目立っている。

 このため、日本向け鶏肉調製品輸出量は、前年同期実績では50%のシェアを占めていたが今期実績では約43%に減少したのに対し、EU諸国向け鶏肉調製品輸出量は前年同期実績の44%から今期実績の52%とシェアを伸ばしている。

 また、2006年1〜3月の鶏肉調製品輸出額についても、前年同期比19%増の70億5千9百万バーツ(約211億8千万円:1バーツ=3円)となり、オランダ、イギリス、ドイツなどのEU諸国向けが前年同期比24%〜71%増と大幅な伸びを示している。

   鶏肉調製品輸出量

資料:タイ大蔵省


● ● ● 35万トンベースを見込む鶏肉年間輸出量 ● ● ●

 タイ農業・協同組合省は、鶏肉調製品の第1四半期の輸出が好調であったことから、2006年の年間輸出量は35万トンに達するとの見通しを示しており、2005年の鶏肉調製品の輸出実績約23万6千トンに対し約50%増を見込んでいる。タイ農業・協同組合省担当者によれば、鶏肉調製品の輸出増には中近東など新市場開拓の効果も期待しているとしている。


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