2006年上半期のバター、脱脂粉乳卸売価格は低迷


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 在庫積み増しで、バターの需給が緩和 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が発表する生産予測によると、2006年上半期(1〜6月)のバター卸売価格は2005年から引き続き安値で推移しており、2006年6月は前年同月と同水準のポンド当たり153.1セント(キログラム当たり392円:1ドル=116円)となった。USDAは、このような価格の低迷を例年以上の季節的な在庫の積み増しによって需給が緩和しているためとしており、2006年(1〜5月)のバター在庫量を見ると、前年同月を2割増し以上で推移している。

  USDAの予測によると、2006年のバター卸売価格は、前年比20.5〜25.0%安の同115.5〜122.5セント(同295〜313円)と大幅な下落が見込まれている。しかし、2007年はバター生産量の伸びが緩やかになり、在庫量も解消されていくに従い、卸売価格も前年比5.2〜9.8%高の同121.5〜134.5セント(同311〜344円)まで改善するとされている。

バター卸売価格の推移

資料:USDA「Dairy Market News」


1〜5月のバター在庫量の推移

資料:USDA「Cold Storage」


● ● ● 2006年6月の脱脂粉乳卸売価格は前年同月比13.5%安 ● ● ●

 USDAによると、2006年の脱脂粉乳在庫量もバターと同様に増加傾向にあり、2006年5月時点で、前年同月比27.3%増の6万5千トンとなっている。これは、2005年に好調だった脱脂粉乳輸出量が、2006年に入り減少しており、昨年輸出仕向け先第1位だったメキシコと、第2位だったインドネシアの2006年(1〜4月)の脱脂粉乳輸出量も、それぞれ前年同期比23.1%減、37.9%減と大幅に減少したことなどが影響したとされる。

  これを受けて、脱脂粉乳卸売価格は2006年2月以降前年同月を下回って推移しており、2006年6月の卸売価格は、前年同月比13.5%安のポンド当たり81.4セント(キログラム当たり208円)とかなり大きく下落した。なお、2006年全体では前年比6.5〜10.7%安の同84〜88セント(同215〜225円)の見込みとなっている。

1〜5月の脱脂粉乳在庫量の推移

資料:「Livestock Dairy and Poultry Outlook」


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