横ばいも、減少の兆しを見せる一人当たりの豚肉消費量


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年の一人当たりの豚肉消費量、前年比2.8%減の42.2キログラム ● ● ●

 欧州統計局が公表した2005年(速報値)のEU15カ国における一人当たりの豚肉消費量は、10年前の95年と比較すると4.2%の増加となっているものの、前年との比較では2.8%減の42.2キログラムとわずかに減少している。

  近年のEUの豚肉、牛肉および鶏肉の一人当たりの消費量はそれぞれ、横ばい傾向で推移しているが、豚肉消費量はわずかではあるものの二年連続で減少している。

● ● ● EUで最も好まれる食肉、豚肉 ● ● ●

 豚肉以外で、2005年におけるEU15カ国の食肉ごとの一人当たりの消費量をみると、牛肉が前年同の20.0キログラム、鶏肉が前年比1.4%増の22.2キログラムであり、豚肉は依然としてこれらの約2倍の数量を維持している。

  なお、食肉ごとの一人当たりの消費量は国によってばらつきはあるものの、豚肉が最も好まれる食肉となっている。ただし、イギリスのみはBSEの影響などから鶏肉の消費量が最も多くなっている。

 これらの主要食肉の中で、95年との比較において最も大きな伸びを示したのは鶏肉で、健康志向の高まりを受けて12.1%増の22.2キログラムとかなり大きく増加した。これに次いで伸びたのが豚肉であるが、牛肉は同1.5%減の20.0キログラムと唯一、BSEの影響から10年前を下回った。近年、牛肉消費は回復傾向にあるが、鶏肉消費の増加と併せて、これらが豚肉消費量のここ数年の停滞を招いたものと見込まれる。

EU15カ国における一人当たりの食肉消費量

資料:EUROSTAT

● ● ● スペインがけん引する豚肉消費 ● ● ●

 2005年の豚肉消費量を国別に見ると、第一位のスペインが前年比3.3%減の61.7キログラム、第二位のデンマークは同2.3%増の58.2キログラム、次いでオーストリアの前年同の56.8キログラムと続く。スペインは95年と比較しても16.2%と大幅に増加しており、この10年間の伸び率も15カ国中で最も大きい。同国では政府による豚肉の消費拡大キャンペーンが奏功してきたとされるが、一人当たりの消費量は2年連続で前年を下回っており、95年に最も消費量が大きかったデンマークとの差が縮まっている。

EU15カ国における一人当たりの食肉消費の割合

資料:EUROSTAT


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