イギリス食品基準庁、バーベキューの際の衛生上の留意点を公表


 イギリス食品基準庁(FSA)は6月6日、夏のバーべキューシーズンの到来を控え、また本年はサッカー・ワールドカップを観戦しながら多くの人がバーベキューを楽しむことが予想されることから、バーベキューの際の食中毒事故の防止に向けた衛生上の留意点を公表し、注意喚起を行った。

サッカー・ワールドカップの開催 を控えて

 今回、FSAが公表した注意喚起は、サッカー・ワールドカップの開催にちなんで、所々でサッカー用語を引用したユーモアに富んだものとなっている。

  まず、注意喚起を行う背景として「気温が上がり、屋外での活動の機会が増えてくるに従い、食中毒でオウンゴール(自殺点)を挙げるオッズ(率)が非常に高まる。夏場は、気温の上昇に伴い有害な細菌の繁殖が活発になることから、食中毒による事故が多く見られる。通常、家庭の台所では注意する食品衛生の留意点も、屋外でバーベキューを行う際には忘れがちである。」と述べている。


サッカー観戦とバーベキュー

 イギリスで千人を超える成人を対象にした調査では、ほぼ半数の45%が自宅でバーベキューを楽しんでおり、そのうち94%がこの夏も予定し、また69%がサッカー・ワールドカップを観戦しながら行うと回答した。

 また、バーベキューを行う世帯に対する調査では、通常の料理では約7割の世帯で女性が調理するのに対し、屋外での料理は約8割の世帯で男性が調理するとの結果が出た。バーベキューの際にアルコールを飲むのはよく見られる光景であるが、3分の2の男性は調理をしながら飲酒をすると回答している。しかしながら、このような状況においても98%の男性が食品の衛生管理には自信があると回答している。


食中毒を防ぐための簡単ではある が重要な留意点

 バーベキューシーズンのキックオフ(開始)に合わせ、バーべキューやサッカーの観戦に熱中する人たちに対し、食中毒を防ぐための簡単ではあるが重要な留意点として以下を挙げている。

  ・調理の前、生肉を触った後、食事の前には必ず手洗いをすること

  ・生肉に食中毒の原因となる細菌が付着している可能性があるので、サラダやパンなどの近くには置かないこと

 ・生肉と調理済みの肉は使用する調理器具を分けること。生肉を載せた皿などに調理済みの料理を置かないこと

 ・生肉にかけたソースや漬け汁を、調理済みの食品にかけないこと

 ・バーベキューで調理した食品は、見た目と違い火が十分に通っていない可能性がある。安全に食するために、食品全体に十分熱が通っているか、肉の場合、ピンク色の部分が無く、肉汁が出ないかを確認すること

  FSAは、食品衛生キャンペーンの一環として、サッカー・ワールドカップの開催期間中、テレビCMを流すこととしている。また、食品衛生のアドバイスや食中毒のリスクを回避するための3種類のリーフレットを作成し、配布している。


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