アルゼンチン、牛肉輸出を再開


牛肉輸出の再開を決定

 アルゼンチン政府は、牛肉輸出の再開を定めた経済生産省決議第397/2006号(5月26日付け)を官報に公表した。本決議の内容は、以下のとおりである。

  (1)牛肉輸出の再開を認めた根拠

  ア 経済政策および価格見通しを適切に行い、牛肉市場のより一層の透明性を図るため、経済生産省は2006年4月6日、食肉関係団体代表者らとの協定(海外駐在員情報第716号参照)に調印したこと

  イ 上述の協定を実施していること

  ウ 最近の牛肉市場における価格動向が、180日間の牛肉輸出停止を定めた決議(海外駐在員情報第712号参照)の廃止を正当化する水準に改善されたこと

  (2)2006年6月1日から2006年11月30日の間、生鮮・冷蔵および冷凍牛肉について前年同期実績の40%相当量の輸出を認めること

  (3)同期間における輸出業者ごとの輸出量は、前年同期の実績割合により配分され、四半期ごとの輸出量は前年同期の50%以下とすること

  (4)国立農牧取引管理事業団(ONCCA)は、必要となる情報システムを運用すること

  (5)EU向け高級生鮮牛肉(通称ヒルトン枠)については本決議の対象外とすること
(注:ヒルトン枠は本決議による輸出量制限の対象とならない。ヒルトン枠は輸出停止措置の例外とした180日間の牛肉輸出停止を定めた決議と同じである)

  (6)農牧水産食糧庁および経済政策庁は、牛肉輸出およびその市場にもたらす影響の動向を監視すること

  (7)180日間の牛肉輸出停止を定めた決議を廃止すること


ONCCAが牛肉輸出量を管理

 本決議を踏まえ、ONCCAが輸出業者ごとの牛肉輸出量を把握することを定めた経済生産省決議第1081/2006号(6月5日付け)を官報に公表した。ONCCAの情報システムは、輸出業者がONCCAのウェブサイトで登録手続きを済ませることができるものとなっている。なお、ONCCAへの登録手続きを済ませた輸出業者は、早速、牛肉輸出を再開したと伝えられている。


畜産ストは見合わせ

 牛肉輸出停止の措置が長引く中、不満を募らせていた農業団体は畜産ストの実行などについて内部で議論が行われていたが、牛肉輸出の一部再開が決定されたことから、しばらくは様子を見ようと姿勢を変えてきているようである。アルゼンチン農牧連盟(CRA)のリャンビーアス会長は「畜産ストの実行よりも解決を望むが、実際には解決策がない。小さな窓が開かれているだけで、これを広げなければならない」と述べている。


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