CFIA,BSE5例目の疫学調査を終了


CFIA,汚染源を特定できず

 カナダ食品安全庁(CFIA)は6月16日、本年4月に確認された同国で5例目のBSE感染牛であるブリティッシュコロンビア州の乳牛に関する疫学的調査を終了したことを公表した。感染牛の同居牛および子牛を含む148頭を追跡調査するとともに感染牛に給与された飼料の調査が行われた。CFIAは感染源を特定できなかったとしている。

  感染牛は2000年4月生まれのホルスタイン牛で、死亡時には6歳(71カ月齢)であり、発症する約1年前に生産農場から発生農場に移動していた。当該農場に飼料を供給していた施設で97年の飼料規制はおおむね守られていたが、輸送や施設の共用により交差汚染の機会が残されていたことが指摘されている。


同居牛および子牛の追跡結果

 CFIAは感染牛が生産した子牛2頭ならびに同居牛146頭の追跡調査を行った。

  感染牛は2004年4月と2005年3月にいずれも雄子牛を生産しており、ともに肥育され死亡またはと畜されている。

  感染牛の生産農場も酪農家であり、同居牛として追跡の対象となった牛は146頭であった。このうち、23頭は当該農場で飼養されていた。合計で67頭が追跡され、死亡またはと畜されたことが確認された(うち、1頭は過去のBSEサーベイランスで検査されたが陰性)。8頭については死亡またはと畜されたと推定される。15頭は繁殖目的で米国に輸出されていた。33頭については記録が不十分であり、追跡が不可能であった。


飼料に関する調査結果

 CFIAは感染牛の生産農場について、使用されていたすべての飼料原料、これらの製品の供給元、飼料の給与や貯蔵管理の状況について詳細な調査を行った。

  当該農場は酪農のみを行っており、他の家畜は飼養されていない。給与飼料は自家生産の粗飼料、購入粗飼料(乾草、サイレージ)と配合飼料であった。ペットフードは農場から離れたところで保管されており、問題はなかった。感染牛は牛舎内で飼養されており、肥料や反すう家畜への給与禁止品(以下、禁止品)を含む可能性のあるものには接触していない。飼料は袋またはバルクで保管され、農場の飼料混合機は乾草に乳酸を混合する目的以外では使用されていない。

  配合飼料は1社のみから購入されていた。関連する4工場のうち3工場は反すう家畜用の飼料成分には一切禁止品は含まれていなかった。残る1工場は鉱塩の供給をしており禁止品を扱っていたが、過去の配合記録などを調査したが、感染牛の年齢などを考慮すると感染源に暴露された可能性は非常に低い。しかし、飼料工場における原料の受け入れ施設や製品の輸送車が禁止品を扱うものと共用されており、これにより交差汚染が生じた可能性がある。

  感染源は特定できなかったが、飼料工場に禁止品を供給していた供給元は2006年1月の4例目の生産農場に飼料を供給していた工場にも供給を行っていたことが判明した。

  CFIAは、飼料を供給していた施設では97年の飼料規制はおおむね守られていたが、輸送や施設の共用により交差汚染の機会が残されていたことが明らかとなったとしている。


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