2005/06年度の牛肉需給、と畜頭数の減少も価格は下落を予想


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005/06年度のと畜頭数は減少 ● ● ●

 豪州農業資源経済局(ABARE)は12月、四半期ごとの需給予測を発表し、この中で、2005/06年度(2005年7月〜2006年6月)のと畜頭数は、前年度比1.9%減の868万頭で減少に転じるとしている。2005年第1四半期(7〜9月)のと畜頭数は、前年同期比10.3%減の187万頭と前年同期を下回ってスタートしており、中でも雌牛は同19.0%減の77万頭になった。全体のと畜頭数に占める雌牛のと畜割合は、干ばつによるとう汰が一段落した2003年第2四半期(10〜12月)以降、前年同期比を下回って推移しており、2005年第1四半期は41.2%と、過去10年で最低を記録した。ABAREでは、気象条件の改善を背景に、安定した牧草生育や穀物供給が見込めることから、結果的に牛群の再構築が進められるためとしている。

図1 と畜頭数、雄雌別割合

資料:ABS「Livestock Products, Australia」

 

● ● ● 来年度は輸出価格低迷 ● ● ●

 と畜頭数の減少を受けて、米国産牛肉の輸入停止以降、高値が続いている牛肉の対日輸出価格は、堅調に推移している。また、対米輸出価格も、と畜頭数減少に加えて、米国内での牛肉需要が引き続きおう盛なことから、2005年後半にかけてわずかに価格を押し上げた。しかし、ABAREによると、2005/06年度は、日本市場への米国産牛肉輸入再開の影響や、米国内での牛肉生産の増加などから、両マーケットへの輸出量は減少が予測されており、それに伴う輸出価格の下落も見込まれている。

図2 輸出価格の推移

資料:MLA


● ● ● 生体牛輸出は増加 ● ● ●

 主要国への牛肉輸出が不透明な一方で、ABAREは生体牛輸出については明るい見通しを予測している。2004/05年度の生体牛輸出は、豪州国内での素牛価格の高騰や豪ドル高で推移した為替の影響、また、主要仕向け先であるインドネシアやマレーシア向けに、南米やインドからより安価な牛肉が供給されたことなどから、前年度比4.8%の5万5千頭と減少した。しかし、2005/06年度は高騰した素牛価格の沈静化や、主要仕向け先での需要増が予測されることから、前年度比6.0%増の58万3千頭を見込んでいる。


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