生産増などからむね肉の卸売価格は大幅に下落


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 1〜11月の生産量は前年同期比4.1%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、米国の2005年1〜11月までのブロイラー生産量は、前年同期比4.1%増の1,467万3千トンとなった。2005年1〜11月の平均生体重量(加重平均)も前年同期比で1.8%の増加となっており、ひな導入頭数増に伴うと鳥羽数の増加と相まって、生産量の増加に寄与したとされている。11月のブロイラー生産をみると、平均生体重量が前年同月比3.2%増、と鳥羽数が同1.3%増となり、生産量は同2.4%増の130万トンとなった。

 USDAは、2006年に向けた見通しについて、2005年10月下旬から11月下旬にかけてひな導入羽数が前年同期比で2.0%伸びたことから、第1四半期も引き続き増産傾向が維持されるであろうと見込んでいる。

図1 と鳥羽数と平均生体重の推移

資料:USDA

 

● ● ● ● ● ● 在庫量は第2四半期と比べて増加傾向 ● ● ●

 USDAによれば、2005年第3四半期終了時点での冷凍鶏肉在庫量は34万2千トンと前年同期比では2.9%下回ったものの、前期比では9.6%増加した。前期比増加の要因として、USDAはむね肉および骨付きもも肉(レッグクオーター)の在庫が第2四半期と比べて大幅に伸びたことが、在庫量全体の増加につながったとしている。在庫の増加傾向は10月も続いており、冷凍むね肉の在庫量は前年同月比で7.0%増の6万6千トンとなっている。

 

● ● ● ● ● ● 生産増と在庫増で卸売価格は値下がり ● ● ●

 生産量と在庫量の増加は、卸売価格にも影響が出ている。USDAによると、とりわけ骨なしむね肉および骨付きもも肉(レッグクオーター)の値下がりが著しく、2005年11月の北東部の骨なしむね肉は前年同月比で17.5%安のポンド当たり103.21セント(キログラム当たり271円:1ドル=119円)、骨付きもも肉は同2.3%安のポンド当たり29.35セント(キログラム当たり77円)となった。しかし、骨付きもも肉の価格下落に関しては輸出市場の不確実性によるものであり、2005年全体で見ると骨付きもも肉は高水準で推移している。

図2 ブロイラー卸売価格の推移

資料:USDA


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