ヨーロッパの穀物倉庫ウクライナの動き


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 世界第6位となる穀物輸出量 ● ● ●

 米国農務省(USDA)の発表によると、ウクライナの2005/06年度の穀物輸出量は在庫増に加え豊作であったことから記録的な数量である1千2百万トンに達し世界第6位の輸出量に、また、世界の貿易量の四分の一を占める大麦輸出量は、再び世界第2位の輸出量になるものと見込まれている。このような状況の中、港湾施設や輸送基盤の機能向上、拡張が図られており、穀物の輸送能力はここ数年間で急激に向上している(図1)。

図1 穀物輸出量の推移

資料:「Grain:World Markets and Trade」(USDA/FAS)


● ● ● トウモロコシの生産量は減少するが、単収は記録的に増加 ● ● ●

 2004/05年度のトウモロコシ生産量は、880万トンとなり40年ぶりの生産増である一方、多湿な天候から品質低下を招き、価格は前年比で約35%下落となる。このため、2005年の収穫面積は、2004年の230万ヘクタールから165万ヘクタールと約3割減少した(ただし、89/90年度以降で3番目の面積)とのことである。

 2005/06年度の単収は、(1)生育期の良好な天候と適切な降雨、(2)収穫期の乾燥気候、(3)品種改良など−から、記録的な4.36トン/ヘクタールになるとのことである。作付面積の減少、単収の増加から、2005/06年度の生産量は前年を割り込む720万トンと見込まれている。単収は2003年の前年比3%の減少を除き99年から毎年増加しており、最終的にはさらに高くなるとしている(図2)。

図2 トウモロコシ収穫面積、生産量、単収の推移

資料:「Grain:World Markets and Trade」(USDA/FAS)


● ● ● トウモロコシ生産のけん引役は家きんの飼養羽数の増加 ● ● ●

 牛および豚の飼養頭数は、90年にはそれぞれ2千5百万頭、1千9百万頭であったものが、2005年には、それぞれ7百万頭、6百万頭となっている。家畜飼養頭数の減少からサイレージ向けトウモロコシの作付面積は、ここ15年間で急激に減少しており、90年にはトウモロコシ作付面積の79%を占めていたサイレージ向けは、2005年には29%まで減少している。

 一方、家きん飼養羽数の増加から穀物用のトウモロコシ作付面積は拡大している。家きん飼養羽数は、2001年初めに1億2,400万羽であったものが、2005年は1億5,400万羽まで増加し、2006年はこの勢いがさらに増すものと見込まれている。なお、これに伴い、家きん飼料の主原料である大豆の収穫面積も、2001/02年度の6万1千ヘクタールから2005/06年度の40万ヘクタールに爆発的に広がっているとのことである(図3)。

図3 トウモロコシ作付面積の推移

資料:「Commodity Intelligence Report」(USDA/FAS)


● ● ● 冬穀物生産の懸念材料である作付け期の乾燥気候 ● ● ●

 冬穀物の2006/07年度作付面積は、昨年をほぼ20%下回る606万ヘクタールが見込まれている。その内訳は、小麦が514万ヘクタール(対前年度比19%減)、大麦が54万ヘクタール(同13%増)、らい麦が38万ヘクタール(同42%減)とのことである。

 作付面積が減少した要因は、ウクライナ全土にわたり秋の天候が乾燥していたことによるとのことで、この乾燥気候により、冬穀物生産量についての減産懸念が広がっているとのことである。なお、これに加えて、冬穀物生産量の約85%を占める冬小麦の価格が、作付け開始時期である2005年9月に低迷したことも、作付面積減少の一因になったとしている。


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