第3四半期ブロイラー輸出と2006年予測


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 第3四半期のブロイラー輸出は一部にハリケーンの影響 ● ● ●

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、第3四半期のブロイラー輸出量は、前年同期を4.0%上回る59万6千トンと、2005年第3四半期以降、5四半期連続の増加となった。月別にみると、7〜8月はロシア向けの輸出が好調で、前年同月を1〜3割上回るペースで推移していたが、ハリケーン・カトリーナの影響で輸出の拠点となる港湾施設に被害が出たことから、9月は前年同月比21.1%減と大幅な減少となった。ERSによれば、米国内の港湾施設が被害を受けたことから、ロシアは輸出再開の条件として港湾施設の再検査を要求したとされている。これに加え、国内輸送もハリケーンの襲来により滞ったことから、9月の輸出量は8月の65%の水準にまで落ち込んでいる。

図1 ブロイラー輸出量の推移

資料:USDA

 

● ● ● ● ● ● 2006年のブロイラー輸出は3.0%増を予測 ● ● ●

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)によると、2006年の米国のブロイラー輸出量は前年度比3.0%増の253万8千トンと予測している。FASによれば、米国産牛肉の輸入停止の影響、口蹄疫発生を背景とするブラジル産牛肉の成長鈍化などから、世界的なブロイラー需要は今後も堅調に推移することが予想され、2006年は米国のほかアルゼンチン、ブラジル、中国、タイのブロイラー輸出が増加するとされている。世界全体で見ると、2006年のブロイラー輸出量は、同7.0%増の746万6千トンと予測されている。2006年の世界全体に占める米国のシェアは34.0%とブラジルに次ぐ第2位の輸出国となっている。しかし、第1位であった5年前と比べると11ポイントの下落となっている。

 

● ● ● ● ● ● 世界全体のブロイラー消費は堅調に推移 ● ● ●

 USDA/FASによると、世界全体の2006年のブロイラー消費量は、前年度比3.5%増の5,780万1千トンと予測されている。消費の伸びが期待できるのはブラジル、インド、メキシコ、ロシアなど複数の国に広がっており、ほぼ中国に偏っている牛肉および豚肉の消費の伸びとは対照的な結果となっている。米国のブロイラー消費量は同3.0%増の1,376万9千トンとなっている。

 USDAによれば、いくつかの国で鳥インフルエンザ発生による国内消費の減退に直面したが、鳥インフルエンザに対する適切な予防措置が採られるようになれば、消費は発生前の水準にまで回復するとしている。

図2 世界のブロイラー輸出量の推移

注:2005年は見込み、2006年は予測
資料:USDA


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