2005年のブロイラー生産は増加傾向


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生産量は前年比3.7%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年のと鳥羽数は、ふ化羽数の増加を背景に、前年比1.1%増の89億9,620万羽となった。また、ブロイラー生産量は、平均生体重が前年を上回って推移したことから、1,601万7千トンと前年比で3.7%の増加となった。

 動植物検疫局(APHIS)による鳥インフルエンザ抑圧プログラムが功を奏し、米国は2005年を通じて基本的には低病原性鳥インフルエンザの発生を回避することができた。そのため、2004年まで安全性などを理由に米国産ブロイラーの輸入制限を行っていた地域が、輸入制限を撤廃または緩和したことから、2005年上半期の輸出が大幅に増加した。そのことが、農家の生産意欲を大いに後押ししたとされている。

図1 ひなふ化羽数とと鳥羽数の推移

資料:USDA

 

● ● ● ハリケーンの影響は小さいものの原油高が今後とも懸念材料 ● ● ●

 2005年は、9月に相次いで襲来したハリケーンの被害により、一部で市場の混乱も見られた。テキサス、ミシシッピ、アラバマ州でブロイラー処理工場が損害を受け一時的に操業停止に陥ったが、幸いブロイラー生産への影響は極めて限定的なものとなった。生産量を月別に見ても、ハリケーンが襲来した9月以降も前年同月を2〜7%上回るペースで推移している。

 一方で、原油高に伴う燃料コストの上昇などが今後とも懸念材料となる。第4四半期は、ハリケーンに伴う石油油関連施設の損害により生産費コストが押し上がっており、民間の調査機関によると、ひなのふ化に必要な液化石油ガスの価格は2006年冬には2倍にまで高騰すると予測している。

 

● ● ● 下半期における輸出向け需要の一巡で在庫5%増加 ● ● ●

 2005年の在庫は、下半期に輸出向け需要が一巡したことなどを背景に増加した。USDAによれば、2005年12月末時点の冷凍鶏肉在庫量は41万7千トンと前年同月比で5%上回った。部位別に見ると、もも肉の在庫が同154%増の1万1千トン、骨付きもも肉(レッグクオーター)の在庫が同131%増の8万トン、手羽が同25%増の1万8千トンと在庫が大幅に積みあがった。USDAは2006年以降も在庫の増加は続くものとみている。

図2 冷凍鶏肉在庫量の推移

資料:USDA


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