農産食料品品質管理システム導入担当官制度を設立 ●アルゼンチン


食品の品質と安全性の強化を目指す

 アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)のカンポス長官は2005年12月29日、決議第61/2005号により、農産食料品品質管理システム導入担当官制度を設けることを公表した。

 同長官は、食品の生産・加工・流通段階において品質と安全性の確保がいっそう求められている中で、それらが国際規格に合致した認証制度により証明されることが必要であり、この業務を担当する専門知識を有する担当官の養成が不可欠とされ、今回の導入に至ったとしている。


有資格者の雇用促進も期待

 SAGPyAではこれまで、「アルゼンチン食品品質管理プログラム」により、国際基準に従った食品の品質向上や国内および国際的基準の順守と推進を図り、このプログラムを通じて、適正農業規範(GAP)や適正製造規範(GMP)、HACCPなどの研修を全国で開催してきた。この研修は、統一された基準の下で農産食料品品質管理システムを運営するための支援体制を整えるため、専門家を養成することを目的としている。

 今回の決議により、この研修を受けた受講者の地位を格上げし、資格が公認されることになる。彼らは「農産食料品品質管理システム導入担当官」として登録され、GAP、GMP、HACCPおよびトレーサビリティシステムなど各分野の品質管理システムを導入しようとする企業にとり、重要な役割を担うことになる。

 カンポス長官はこのシステムにより外国市場が要求している規格の実施に必要なノウハウを備えた専門家の養成が可能となり、さらに有資格者の雇用の機会を創出することが期待されるとしている。


資格取得可能な専門家は現在90名

 同システムへの登録希望者は、SAGPyAにより実施される研修に参加し、一定の成績を収めた上で、さらに研修コースのプログラムで指定された課題に合格することが要件とされる。

 合格者には、SAGPyAにより認証された導入担当官の担当分野を証明する身分証明書が発給されることになる。登録期間は2年間で、期間満了後にSAGPyAが定める手続きにより更新することも可能とされる。この研修は、アルゼンチン食品品質管理プログラムのひとつとして、2003年以来実施され、これまでに500名の参加があり、現在この登録制度に登録し、即時資格を得ることが可能な専門家が90名いる。


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