2004年の食肉高度加工業者、トップ25を発表 ● 豪 州


上位25社で30億豪ドルの売り上げ

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)はこのほど、食肉(牛肉・羊肉)高度加工業者(Red Meat Value Adding Companies)について、2004年の上位25社を発表した。このランキングに関しては、高度加工製品の生産に用いられた原料肉の量に基づき算出され、MLAでは、2004年の食肉使用量について上位25社で20万8百トン(前年比0.6%減)、同じく製品売上高を30億豪ドル(2,700億円:1豪ドル=90円)と推計している。

 このランキングは、加工度の高い食肉製品、いわゆる食肉以外の原材料を加えたものや調理済みに近いものなど付加価値の高い製品の生産状況を把握するものとして、2000年から毎年行われている。


ハンバーガー、冷食向けの生産割合が増加

 2004年の高度加工製品生産は、牛肉や羊肉の価格の上昇により、大手を中心に需要が低くなった結果、前年よりわずかながらも減少となった。その一方で、各企業はより付加価値の高い製品に特化したことから、製品売上高は上昇基調で推移している。

 上位25社の高度加工製品の生産内訳をみると、ハンバーガーパテやミートパイが生産量全体の37%を占め、引き続き主力商品であるが、冷凍食品など調理済製品(同28%)の伸びも大きく、次いで、ソーセージなど調製品製造(同23%)、ピザなどのトッピング材料(同5%)、その他(同7%)となっている。

 一方、製品輸出については、引き続き日本向けが輸出量全体の38%と前年より2ポイント上昇し、中東向けも前年とほぼ同水準(同14%)となった。一方、東南アジア向けは同25%と前年より8ポイント低下した。


今後の焦点は、速さ、安全、美味しさがテーマ

 製品売上高の増加など順調な高度加工製品生産の背景には、付加価値をつけることで利益率の確保を図りたいとする企業の思惑と、経済性や利便性を求める消費者との利害が一致していることが挙げられよう。

 MLAでは、今後の各企業のテーマとして、消費者に対し、より速く、より安全に、より美味に、が焦点になるとみており、これらの要素を盛り込んだ製品の提供に重点が置かれるとしている。また、最近の傾向として、従来の付加価値製品から一歩進んで、低脂肪製品や製品の安全性、品質管理といった消費者のニーズに対応した製品を生産するため、各企業で高度な製造法や機材の整備が進められているとしている。

 食肉の高度加工製品市場は、引き続き拡大の兆しをみせている。

食肉高度加工業者上位10社(2004年)


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