3月の牛肉輸出量、日本向けを中心に記録的な水準に


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 日本向け輸出量は初めて月間4万トンを上回る ● ● ●

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、豪州の3月の牛肉輸出量は、前年同月を7%上回る90,805トンと、月別数量としては、2001年7月以来の記録的なものとなった。

 日本向け輸出量をみると、輸出量は前月を32%、前年同月を10%上回る43,263トンと記録的な数量となった。品目別では、グレインフェッドビーフが、根強い需要を反映して前年を2割程度上回る19,669トンとなり、日本向け数量の46%を占めた。また、グラスフェッドビーフも前年同月比4%増となった。日本向け輸出の増加要因についてMLAでは、日本のゴールデンウィーク向け需要に加え、米国産牛肉の輸入再開への思惑から、日本の食肉関連業界は、ここ数カ月間、牛肉の仕入れ量を抑えており、結果的に在庫量を減らしていたことが一因であるとしている。

 日本向け牛肉輸出量を第1四半期(1〜3月)ベースでみると、前年同期を5%下回る94,266トンとなっている。なお、2006年の日本向け年間牛肉輸出量についてMLAでは、前年を4%下回る390,000トンと見込んでいるが、今後の輸出価格については、日本のゴールデンウィーク向けの手当てが済んでいることや、3月が記録的な数量となったこともあり、値下げ傾向で推移するとしている。

豪州産牛肉輸出量

資料:DAFF

 

● ● ● 日本における1月米国産牛肉の再停止が韓国の輸入増加を引き起こす ● ● ●

 一方、韓国向け輸出量をみると、日本向け同様、増加傾向にあり、3月冷蔵牛肉輸出量は、前月を22%、前年同月を35%上回る2,123トン、そのうち、グレインフェッドビーフは、前年同月を53%上回る2,646トンとなった。これについてMLAでは、日本での1月の米国産牛肉輸入再停止が、韓国の豪州産牛肉の購入意欲に拍車を掛けたと分析している。その結果が、2月の韓国への記録的な輸出量となって表れており、3月も引き続き増加基調で推移している。


● ● ● 順調なスタートを切った1月の生体牛輸出 ● ● ●

 2006年の牛肉輸出が好調に推移する中、生体牛輸出も順調なスタートを切った。1月の生体牛輸出頭数は、最大の輸出先であるインドネシア向けが減少したものの、イスラエルやマレーシア、中国向けの輸出増が寄与し、前年を17%上回る55,391頭を見込んでいる。豪州産生体牛輸出頭数のほぼ半分を占めるインドネシア向けは、前年と比較して7%とかなりの程度減少したものの、イスラエル、マレーシアおよび中国への輸出が増加した。中でもイスラエルは、輸出先としては変動が大きい市場であるが、1月は前年比69%増の17,641頭と記録的な頭数となり、また、マレーシアも、この半年間では最高の5,455頭となっている。


元のページに戻る