ウルグアイのミニ牛、フェルナンディーナ種



ひとくちMemo

 ウルグアイの首都モンテビデオから東に約130キロメートル離れたプンタ・デル・エステ近郊のエルペニャスコ農場は、ホルスタイン種やフレックビー・シンメタール種を約50頭飼養する乳肉複合経営を行っている。同農場では、フェルナンディーナ種と呼ばれる乳肉兼用種のミニ牛も飼養されている。フェルナンディーナ種誕生のきっかけは、同農場オーナーのコーエン氏が、ブラジルで「カロリーナ」と名付けられたミニ牛に出会ったことによる。コーエン氏は、単にマスコット的な存在ではないミニ牛の品種を作ろうと思い立ち、アバディーンアンガス種とヘレフォード種を基に体型が小さくなるよう交配、さらに、ホルスタイン種、ジャージー種を掛け合わせ、10年を経て乳肉兼用種として完成させた。このミニ牛は、ウルグアイ固有の品種として、牛では唯一ウルグアイ農牧協会(ARU)に登録されている。


 体高、体重はそれぞれ雄は100センチメートル以下、400キログラム、雌は90センチメートル以下、300キログラム。現在、完成した「ミニ牛」として18頭、少し大き目でもう一代交配する必要のある「中ミニ牛」が36頭いる。

 フェルナンディーナ種の特長はその早熟性にある。自然交配により、メスは8〜9カ月で妊娠する。子牛の誕生時の体重は12キログラム前後。詳細なデータはまだないが、一日当たり乳量は6〜10リットル、乳脂率は2.5〜3.0%。

 

 エルペニャスコ農場は1968年に現在の所有者であるコーエン夫妻が前の所有者から購入。総面積はおよそ180ヘクタール。

 肉用の場合、去勢は出生後間もなく、または5カ月齢ごろに実施。肉質はシンメンタール種に近いと言うが、パッカーに一度実験的に販売したのみでまだ出荷段階には至っていない。

  2004年12月にARUから発行されたフェルナンディーナ種の登録認可証。

 農場所有者のコーエン夫妻。夫のラファエル氏は1919年イスタンブール出身。リンダ夫人は1924年ミラノ出身でウルグアイ国内だけではなく、スペイン、ブラジル、アルゼンチンでも個展を開く著名な画家。

 2003年11月には紀宮殿下が同農場を訪問、オルネロ(カマドムシクイ:英文名オーブンバード)の巣をプレゼントしようとしたところ、衛生上の問題から持ち帰れず受け取られなかったとのこと。殿下からは紋章入りの一輪挿しを贈られた。
(ブエノスアイレス駐在員事務所 横打 友恵、松本 隆志)

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