2006年第1四半期の生乳生産量は前年同期比4.6%増


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 更新牛価格の高値で、保留意識高まる ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年1月の乳牛飼養頭数は、前年比0.6%増の905万8千頭で、そのうち乳用種未経産牛の飼養頭数は、2006年1月現在で前年同月比3.9%増の427万8千頭と増加傾向にある。その背景として、更新牛価格の高値があり、2005年10月は前年同期比14%増の1,870ドル(22万円:1米ドル=118円)と過去5年で最高値を記録し、その後も1,800ドル台の高値を維持するなど、2004年以降前年を上回って推移している。このような更新牛価格の高値の継続や、酪農経営体の規模拡大志向から、未経産牛の保留意欲が高まっている。

乳用種更新牛の価格の推移

資料:USDA/NASS『Agricultural Price』
注:各四半期毎の公表データ


● ● ● 1頭当たりの乳量増加により、生乳生産量は4.6%増の予測 ● ● ●

 米国の生乳生産量は、2005年3月以降増加傾向にあり、2006年第1四半期(1〜3月)の生乳生産量も、前年同期比4.6%増の2,059万3千トンと予測されている。USDAは、暖冬や十分な粗飼料供給に加えて、飼料穀物価格が低下したことで、1頭当たりの泌乳量が平年を上回っていることなどから、生乳生産量全体も増加すると見込んでいる。

一頭当たり泌乳量の推移

資料:USDA


● ● ● 生乳生産量増加で、生産者販売価格は下降基調 ● ● ●

 USDAによると、2006年3月の生産者販売価格は前年同月比17.9%安の100ポンド当たり12.8ドル(キログラム当たり約33円)となり、2003年7月ぶりに12ドル台まで下落するなど、低水準で推移している。2006年第1四半期の生乳生産量も拡大が予測されていることから、生産者販売価格は当面下降基調で推移すると見込んでいる。


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