鳥インフルエンザ予防計画のパブリックコメントを開始 ● ブラジル


予防計画への参加は連邦単位

 ブラジル農務省(MAPA)は2月17日、内容の一部に法的な問題があるとして、調整に時間を要していた「全国ニューカッスル病および鳥インフルエンザ予防計画(以下「予防計画」とする)」を定めた省令48号を公布し、同日より30日間のパブリックコメントを募集することを公表した。

 同予防計画は、全国における獣医業務および全国鳥衛生監視プログラム(PNSA)の強化に向けた家畜防疫を促進するため、連邦単位(UF)で適用され、計画に定められた規定への参加は各UFの任意とされる。本規定に定められる基準は地域の獣医業務システムを評価するためのものであり、結果として、ニューカッスル病および鳥インフルエンザに関する各UFの衛生ステータスを分類する基準となる。

 さらに、予防計画の導入と活動に向け、地理的・政治的基準に基づき、ブラジルを地域別に分類することが定められている。MAPA家畜衛生部(DSA)は、同計画に参加するUFに対し、計画によって定められた規定の導入、家畜防疫業務の適応を確認することを目的とした定期監査を実施する。また、各UFは個別、あるいは共同ブロックの結成、または、州内の一部を地域化して計画に参加することが認められるが、提示する各単位において同一の家畜防疫システムの順守を保証することが求められる。


同等のステータスを持つ州間移動は可能

 また、2005年12月に策定された計画案で問題とされた鶏の州間移動については、次のとおり定められた。

(1)ふ化用卵および鶏の州間移動は、マイコプラズマフリーおよびサルモネラフリーの証明を有する施設に由来する場合のみ許可される。

(2)ふ化用卵および鶏の移動に係る移動許可証(GTA)は養鶏施設の技術責任者であり、MAPAが認定する獣医師が発行する。

(3)今後、DSAが定める日付以降は、ふ化用卵および鶏の州間移動は、出荷州がニューカッスル病および鳥インフルエンザフリーのステータスを有するか、出荷施設がフリー認定を有する場合にのみ許可される。

(4)予防計画に参加し、PNSAの規則を実施する活動能力を有するUFは、ニューカッスル病および鳥インフルエンザの感染因子の州養鶏施設への侵入を予防するため、ブロイラー、廃鶏および採卵鶏の食鳥向けの移動を禁止することを認めるが、次に従うこととする。 

・食鳥向けのブロイラー、廃鶏および採卵鶏の移動禁止について、UFは禁止するための作業と監視手順に関するDSAの承認を事前に求める。

・移動制限は、UF間の衛生ステータスおよび家畜防疫業務のレベルが異なる場合にのみ有効とする。

(5)鶏ふん、鶏舎の敷床、ふ化後の残物などの州間移動はいかなる目的においても禁止する。


参加機関の役割を明確化

 予防計画には、以下の機関が参加し、それぞれ特に次のような責務を負っている。

(1)農牧防疫局家畜衛生部(DSA)
・ニューカッスル病および鳥インフルエンザの防疫に係る通常および緊急活動に対するPNSAのマニュアルの随時見直しと規定の策定
・毎年、電子的経緯度記録システムに登録したUFを対象にニューカッスル病および鳥インフルエンザに関する活性監視の調査を実施する。

 なお、この経緯度記録の情報は、商業用養鶏施設、渡り鳥の冬季滞在地域、さらにそれらの半径10キロメートル以内に位置する非商業用養鶏施設のすべてを含むとする。

・ニューカッスル病フリーおよび鳥インフルエンザフリー施設の証明プログラム案の作成。
 この証明は上記疾病のフリー地域と認められていないUF内の養鶏施設のみを対象とする。

(2)同局研究所支援調整部(CGAL)
・各UFにおいて、予防計画の実施に適した条件を備えているニューカッスル病および鳥インフルエンザの血清診断を行う研究所の認定

(3)農務省代表部(SFA)
・養鶏施設の技術責任者でありGTAの発行認定を受けた獣医師のリストをDSAに提供
 そのほか、州農務局とその家畜防疫機関および民間代表機関もこの予防計画に参加する。


業界団体はより厳しい輸送規則を要望

 この省令の公布を受けて、ブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)では、「パブリックコメント募集期間を利用し、鶏の輸送は認定農場のものだけに限定するよう提案を行いたい」としている。


元のページに戻る