2005/06年度の牛肉生産量、輸出量ともに前年度割れ


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生産量は前年度比1.5%減の64万トン、輸出量も同4.2%減の37万トン ● ● ●

 2005/06年度(10〜9月)のニュージーランド(NZ)の牛肉生産量(枝肉重量ベース)は64万2千トンと前年度比1.5%減、また、同年度の牛肉輸出量(製品重量ベース)も同じく4.2%減の37万トンになった。これは、NZ畜産農家の団体であるミート&ウールニュージーランド(MWNZ)が先ごろ発表した2005/06年度の年次報告の資料に基づくもの。さらに、2005/06年度の牛と畜頭数を見ると、合計で234万頭(子牛を除く)と前年度に比べて3.5%減少しており、特に酪農部門からの供給減が目立っている。酪農産業が盛んなNZでは、牛肉生産の特徴としてと畜頭数に占める経産牛(乳用牛)の割合が全体の3割弱と主要な位置を占めており、この部門からの供給頭数の減少は、全体の牛肉生産に影響を及ぼす結果となっている。


● ● ● 乳製品需給の高まりを背景に酪農部門からの供給が減少 ● ● ●

 NZの酪農部門では、2005/06年度の乳製品国際相場が高水準で推移したことで、生産者乳価が上昇基調にあったことから酪農家の生産意欲が高まり、乳用牛の頭数を確保する動きから乳用牛の更新を遅らせ、結果として牛肉部門への供給が減少する要因の一つとなっている。これにより生産される牛肉は、ハンバーガー向けなどとして一定の輸出需要があり、と畜頭数の減少は、生産農家の牛販売価格を押し上げている。2005/06年度の農家肉牛販売価格(農家出荷価格)を見ると、肉牛平均でキログラム当り295.5NZセント(251円:1NZドル=85円)と前年度比0.5%安であったのに対し、経産牛については同248.5NZセント(211円)と、前年度比3.4%高となった。

農家用牛販売価格の推移

資資料:Meat & Wool New Zealand


● ● ● NZドル高で推移する為替相場も輸出の阻害要因 ● ● ●

 一方、NZの牛肉輸出について地域別の動向を見ると、NZ最大の輸出地域である北米向けは輸出量全体の60%を占めており、次いで日本を含む北アジア向け(同28%)、東南アジア(6%)向けと続いている。しかし北米向けに関しては、米ドルに対してNZドル高で推移する為替の影響を受けて輸出は減少傾向にあり、これも牛肉生産の拡大を阻害する要因の一つとなっている。

 今後、最大の輸出市場である北米向け、特に米国向けについては、30カ月齢以上のカナダ産牛肉の輸出再開が予想されることから、NZにとってはさらに輸出への影響が懸念される。また、ウルグアイなどの南米産牛肉との競合も厳しさを増している。一方で、日本を含むアジア向けの輸出割合は年々、拡大しており、今後、NZにとっては重要な地域となりつつある。

為替相場の推移(NZドル/USドル)

資料:Reserve Bank of New Zealand


地域別牛肉輸出量の推移

資料:

Meat & Wool New Zealand

注1:

年度は10〜9月

 2:

輸出量は製品重量ベース


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