需要減退により減少に転じた2006年のブロイラー輸出


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生産調整からひな羽数は前年比2.5%減 ● ● ●

 ブラジルブロイラー用ひな生産者協会(APINCO)によると、2006年のひなふ化羽数は、前年比2.5%減の45億7,630万羽となった。これは鶏肉輸出の減少により国内市場への供給が過剰となり、在庫が増加したことから業界主導で生産調整を行ったことによるものである。また、ひなふ化羽数の減少から、生産量(骨付きベース)は前年並みの935万4千トンとなった。

 2006年の1人当たりの鶏肉消費量は、APINCOによると輸出需要の減少から国内供給が増加したことで、36.2キログラムと2005年の35.8キログラムを1.2%上回っている。

ひなふ化羽数の推移


資料: APINCO


● ● ● 輸出量は8年ぶりに減少に転じる ● ● ●

 ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2006年の鶏肉輸出量(骨付きベース)は、前年比6.4%減の258万5,713トンと98年以来8年ぶりに減少に転じた。特に欧州における鳥インフルエンザの発生による鶏肉需要の減退が要因と見られる。

 輸出額は、同12.1%減の29億2,263万ドル(3,477億9千万円:1ドル=119円)であった。平均輸出価格は1トン当たり1,130ドル(13万4,470円)と前年の同1,204ドル(14万3.276円)に比べ6.1%安となっている。

 主要な輸出先を見ると、丸どり主体のサウジアラビアの輸出量は前年比10.9%減の33万8,532トン、輸出額は同14.2%減の3億7,850万ドル(450億4千万円)、平均輸出価格は同3.7%安の1,118ドル(13万3,042円)となった。次いでパーツ主体の日本が前年比19.9%減の32万2,318トン、輸出額は同29.2%減の4億8,652万ドル(579億円)、平均輸出価格は同11.7%安の1,509ドル(17万9.571円)となった。これら2大市場と最近そのシェアを高めていたロシアへの輸出が減少したのに対し、香港、南アフリカ、ベネズエラなどの増加が目立った。特に香港は、前年比88.8%増の29万4,500トン、輸出額は同74.7%増の2億5,082万ドル(298億4,758万円)、平均輸出価格は同7.4%安の852ドル(10万1,388円)となり、輸出量で第3位となった。

国別輸出量の推移


資料: SECEX


● ● ● 2007年の輸出量は前年比5%増の見込み ● ● ●

 ブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)では、2007年の鶏肉輸出状況は好転すると見込んでおり、輸出量は前年を5.0%上回る285万トン、輸出額は6.8%増の34億2千万ドル(4,069億8千万円)と予測している。

 なお、2006年10月にブラジルはEUと鶏肉関税枠の設定に合意し、家きん肉および七面鳥33万6千トンがブラジルに割り当てられた。この合意は2007年4月から実施されるとしており、EU向けの輸出増加を後押しするものと期待されている。


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