2006年のブロイラー輸出は、香港/中国向けが第2位に


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006年のブロイラー輸出量は前年比1.3%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年のブロイラー輸出量は前年比1.3%増の239万1千トンとなった。これは、輸出第1位のロシアが前年比4.9%減の72万5千トンとなったことや、前年第2位だったメキシコが、同12.4%減の20万8千トンとなるなど、主要2カ国の輸出量が低下したことが、輸出全体の伸びを抑えたとされる。また、骨付きもも肉への需要が高いCIS諸国(独立国家共同体、旧ソ連から独立したウクライナなどの総体)も、同14.4%減の15万トンとかなり大きく減少となった。

 一方、香港/中国向けは、同84.3%増の29万1千トンで、輸出第2位に上がった。USDAによると、香港/中国向けに関しては、香港向けは減少する一方で、主要都市における鶏肉消費量の拡大を背景に、直接中国へ船積みされる量が増加している。また、中国向けの全体量に占めるシェアも、前年の6.7%から12.2%に増加した。月別の輸出動向を見ると、ブロイラー卸売価格(左図参照)の変動に大きく影響していることがわかる。3〜5月、10〜12月にかけて価格が低下している時の輸出量の伸びは著しく、価格と輸出量の連動がうかがえる。

国別ブロイラーの輸出量


資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


香港/中国向けブロイラー輸出量の推移


資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


● ● ● 生産量の減速と、輸出量増で、2007年の卸売価格は上昇の見込み ● ● ●

 USDAによると、2007年のブロイラー卸売価格は、前年比7.1〜13.3%高のポンド当たり69〜73セント(キログラム当たり181〜192円:1ドル=119円)が見込まれている。これは、前年の卸売価格が、生産過剰により、12月を除くすべての月で前年同月を下回って推移したことなどを受け、2007年の生産量が抑制される見込みであることや、2007年の輸出量が前年比2.5%増の245万2千トンとやや回復することが予測されているためとされる。


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