低落傾向が続く肉牛価格


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 最低水準を脱した若齢牛指標価格 ● ● ●

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)が公表した肉牛取引の指標となる東部地区若齢牛指標価格(EYCI)は、BSE発生により米国産牛肉が日本など主要海外市場に輸出できなかったことから、豪州産牛肉に対する需要の増大を受け高水準の価格が続き、2006年8月(月内の平均値)にはこの二年間の最高値となる1キログラム当たり372.1セント(391円:1ドル=105円)を記録した。

 しかし、今回の大規模な干ばつの影響により牧草の生育状況の悪化や購入飼料の高騰などで生産者が肉牛出荷を加速させたことから、それ以降は12月にかけて低落傾向を示した。その後、2007年に入ると適度な降雨などで放牧条件が改善したためEYCI価格は上昇に転じている。7月は前年同月比7.5%安の同339.4セント(356円)とかなりの程度減少しているものの、2007年のEYCI価格は回復基調で推移している。

EYCI価格の推移


● ● ● 経産牛価格が最大の下落幅を記録 ● ● ●

 一方、MLAが公表した2007年6月の肉牛価格(生産者販売価格:枝肉1kg当たりに換算したもの)は、若齢牛が前年同月比1.8%安の1キログラム当たり315.0セント(331円)、肥育牛が同2.6%安の321.8セント(338円)、経産牛が同4.0%安の266.0セント(279円)といずれも低下した。

 しかし、6月はEYCIと同様に飼養条件の改善などから前月と比較すると上昇しており、若齢牛は前月比3.1%高、肥育牛は同2.0%高、経産牛は同9.5%高となっている。これらは、昨年および一昨年の価格には及ばないが、BSEの発生で米国産牛肉が日本などへ輸出停止される以前の水準に達している。

(注)若齢牛:枝肉重量200キログラム以下、ニューサウスウェールズ(NSW)州主要市場価格

肥育牛:枝肉重量300キログラム以上、400キログラム未満、クイーンズランド(QLD)州主要市場価格

経産牛:枝肉重量200キログラム以上、260キログラム未満、QLD州主要市場価格

肉牛価格の推移



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