EUの2007年第1四半期の牛肉輸出は大幅減少


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年第1四半期の牛肉輸出量、前年同期比37.3%減 ● ● ●

 イギリス食肉家畜委員会(MLC)が公表した2007年第1四半期(1〜3月)におけるEU27カ国の域外への牛肉輸出量(冷蔵・冷凍)は、前年比37.3%減の1万4千トンと大幅に減少した。

 MLCは牛肉輸出量の減少の主因を、特にロシア市場において、ブラジル産牛肉との競合が激化したことによるとしている。同期間におけるブラジルのロシアへの牛肉輸出量は、2005年10月の口蹄疫発生に伴い、発生州および隣接州からの輸入が停止されていたため減少した前年同期の約二倍となる12万5千トンに回復している。

EUの牛肉輸出量の推移(1〜3月)


● ● ● 生体牛輸出も減少、前年同期比7.4%減の8万頭 ● ● ●

  同期におけるEUの生体牛輸出頭数も、前年比7.4%減の8万頭とかなりの程度減少した。現在、2007年1月にEUに加盟したルーマニアが最も多くの生体牛(17,700頭)を域外に輸出している。クロアチアがルーマニアの主要な輸出市場となっており、第1四半期はルーマニアの輸出の半数以上となる1万頭(生体重160〜300キログラム)を輸入した。また、クロアチアはポーランドおよびハンガリーからも前年同期を上回るそれぞれ8千頭および5千頭の生体牛を輸入している。ルーマニアとともにEUに加盟したブルガリアは、域内第二位の生体牛輸出国となり、2007年第1四半期は前年同期と同水準の1万3千頭を輸出した。

 ロシアはEUからの生体牛の第二の輸出市場であり、2007年第1四半期は2005年同期の百頭から1万7千頭へ飛躍的に増加している。ロシアは、近年の目覚しい経済発展により肉牛需要が増大するとともに高級部位に対する志向も高まっており、輸入される生体牛の品種も交雑種ではなく肉用純粋種が好まれるとされている。

EUの生体牛輸出頭数の推移(1〜3月)


● ● ● 2007年第1四半期の牛肉輸入、前年同期比3.6%の減少 ● ● ●

 一方、2007年第1四半期のEUの牛肉輸入量を見ると、前年同期比3.6%減の7万4千トンに減少した。EUの牛肉輸入全体の約6割をブラジル産が、約2割をアルゼンチン産が占めているが、両国産ともに減少した。ブラジル産については、口蹄疫の発生により一部の州からの輸入が停止されており、2007年第1四半期のブラジル産は同9.3%減の4万6千トン、また、アルゼンチン産は同5.2%減の1万5千トンとなった。


EUの牛肉輸入量の推移(1〜3月)


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