2007年のチーズ卸売価格は高値で推移


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 乳製品国際価格の高騰で、2007年のチーズ卸売価格は上昇へ ● ● ●

  米国農務省(USDA)によると、2006年のチーズ卸売価格は、生産量の増加などからすべての月で前年同月を下回って推移した。2007年1〜5月の生産量も、前年同期比2.5%増と増加傾向で推移しているものの、それを上回る国内外からの需要を受けて、2007年のチーズ卸売価格は堅調に推移している。2007年5月のチェダーチーズ卸売価格は、前年同月比9.6%高のポンド当たり205.8セント(キログラム当たり563円:1ドル=124円)、モッツアレラチーズ卸売価格も同13.6%高のポンド当たり211.1セント(同577円)となった。

 これは、最近の脱脂粉乳国際価格がかつてないほど高騰していることが、そのほかの乳製品価格にも波及しているためとされる。USDAによると、脱脂粉乳価格の高騰は、イタリアンタイプの生産コストの増加につながっているとされる。また、国内の経済が好調なことを受けて、レストランなどの外食産業におけるチーズ消費量の拡大も、価格を下支えしているとされる。

 最近のチーズ消費傾向として、チェダーに代表されるアメリカンタイプよりも、モッツアレラに代表されるイタリアンタイプに人気が移行しており、2007年1〜4月のアメリカンタイプのチーズ販売量は、前年同期比0.2%減の58万5千トンだったのに対し、アメリカンタイプ以外のチーズ販売量は同6.5%増の90万5千トンとなった。

アメリカンチーズ販売量とチェーダーチーズ卸売価格の推移

アメリカンチーズ以外の販売量とモッツアレラチーズの卸売価格の推移

 


● ● ● 2007年のチーズ在庫量は高水準で推移 ● ● ●

  米国のチーズ在庫量は、好調なチーズ生産量によって2006年1月以降増加した後、例年在庫が取り崩される8〜11月の秋にかけてやや減少したものの、2007年に入ると増加基調で推移している。特に、アメリカンタイプ以外のチーズの在庫量は2006年7月以降前年同月を2〜3割上回って推移している。USDAは、2007年に入りチーズ卸売価格が上向き始めたことに加え、EUや豪州からのチーズ供給量がひっ迫している状況において、チーズ卸売価格が今後さらに上昇することへの期待感から在庫の積み増しが進んだとの分析をしている。

チーズ在庫量の推移


元のページに戻る