牛肉生産量増加で小売価格は低迷


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 高水準で推移するフィードロット飼養頭数 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、フィードロットにおける飼養頭数は2004年以降増加傾向にあり、2006年の全米フィードロット飼養頭数も各月とも前年同月をすべて上回って推移した。これは、キャトルサイクルが上昇局面に転じたためとされる。

フィードロット飼養頭数とと畜頭数の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

● ● ● 高騰する米国の穀物、粗飼料価格 ● ● ●

 2006年の米国の粗飼料価格は、気象条件の悪化により、また、飼料穀物はエタノール向け需要などが影響し高値で推移している。USDAによると、2006年11月のアルファルファは前年同月比で11%高、その他の粗飼料は同23%高、さらにトウモロコシに関しては同76%高となった。また、最近の穀物価格の高騰はこれまでの干ばつなどによる一時的な価格上昇とは異なり、エタノール生産という政策に伴った長期的なものになると見通しており、特に、フィードロット経営者にとっては生産コスト高の懸念材料となるとしている。

● ● ● 低迷する牛肉小売価格 ● ● ●

 USDAによると、2006年のと畜頭数は前年比3.9%増の3,364万5千頭となった。干ばつなどの影響により、2006年4〜8月にかけて特にと畜頭数が増え、生産量の増加につながった。

 2006年の牛肉小売価格(チョイス級平均)は2005年7月からほぼ前年同月を下回って推移しており、2006年10月も前年同月比0.7%安のポンド当たり394.7セント(キログラム当たり1,044円:1ドル=120円)となった。ひき肉の小売価格も、2006年4月以降前年同月を下回って推移しており、10月は前年同月と同じポンド当たり220.6セント(同584円)となったものの、7〜9月はそれぞれ前年同月を3.7%、8.6%、7.4%下回った。これは、2006年の肉用経産牛のと畜頭数が前年比19.2%増の306万頭、乳用経産牛のと畜頭数が同4.5%増の239万8千頭となり、ひき材の材料となる牛肉が増加したことなどが影響したとされる。

牛肉小売価格(チョイス級)の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


ひき肉小売価格の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


元のページに戻る