豪州の酪農家、乳業界に大変な逆風の年となる2006/07年度


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2006/07年度の生乳生産量は前年度比10.6%減と予測 ● ● ●

 豪州農業資源経済局(ABARE)は12月、四半期ごとの農産品需給予測を公表した。これによると、2006/07年度(7月〜翌年6月)の生乳生産量は、前年度を10.6%下回る902万キロリットルと予測している。生産者団体であるデイリーオーストラリア(DA)は10月、2006/07年度の生乳生産について、前年度比6.9%減の940万キロリットルと下方修正していたが、これを上回る減産予測となった。

 この理由としてABAREは、酪農家が現在の干ばつについて、長期化の可能性もあるとの判断から、乾乳期を早めたり、飼養頭数を減少させることを挙げている。

 ABAREによると、干ばつは、主要酪農地域の一つであるニューサウスウェールズ州とビクトリア州境のマレー河沿岸部の被害が、著しく大きいとしている。

生乳生産量などの見通し


資料:ABARE


● ● ● 加工向け仕向け量の減少で、チーズ、全粉乳生産は2ケタの減少も ● ● ●

 生乳生産の減少が予測される中で、加工用向け生乳の減少も避けられず、ABAREでは、加工乳向け乳量は前年度比13.9%減と大きな減少を見込んでいる。この結果、予測では、主要乳製品の生産量が軒並み減少することになり、チーズや全粉乳といった需要の強い高付加価値製品でさえ、それぞれ前年度比11.5%減、14.6%減と大きな生産減を予測している。

主要乳製品生産量の見通し


資料:ABARE


● ● ● 乳製品輸出額は前年度を24.1%も下回る ● ● ●

 一方、2006/07年度の乳製品輸出額予測を見ると、乳製品の輸出量自体の減少に加え、バターやチーズなど主要乳製品の国際相場が下落すること、また、為替は米ドルに対し依然として強いため、輸出額は前年度を24.1%下回り、20億豪ドルを割り込む19億5千万豪ドル(1,872億円:1豪ドル=96円)と予測している。

 主要乳製品別の輸出額予測では、バターは前年度比46.0%減の1億2,100万豪ドル(116億円)、チーズは同33.7%減の5億5,400万豪ドル(532億円)、全粉乳は同26.9%減の2億4,400万豪ドル(234億円)、脱脂粉乳は同15.7%減の4億4,600万豪ドル(428億円)にとどまるとしている。

乳製品輸出額の見通し


資料:ABARE
 注:輸出価格はFOB価格ベース


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