アルゼンチン、トウモロコシの輸出登録を一時停止


来年度収穫予定のトウモロコシの輸出登録が大幅に増加

 米国におけるエタノール向け需要の拡大などにより、トウモロコシの国際価格の上昇が起きているところであるが、アルゼンチン政府は11月20日、2006/07年度(2007年3月〜2008年2月)トウモロコシに対する輸出登録の数量が前年同期を大幅に上回り、相手国輸入業者との契約も済んでいない輸出登録も行われているとみられることから、税関での輸出業務を円滑に進める上で必要なトウモロコシの輸出契約に係る詳細を輸出業者に求めるため、トウモロコシの輸出登録の一時停止などを定めた農牧水産食糧庁(SAGPyA)決議第775/2006号(11月17日付け)を公布した。

 同決議により、2006/07年度トウモロコシの輸出登録を行った業者は、同決議の発効から15日以内に販売契約書の写しとこれに関連して輸出申告書番号、輸出申告書提出日、輸出先国名、相手国輸入業者氏名および住所、取引数量およびFOB取引価格、船積み期間と輸送方法を明記した添付資料を提出することが定められた。

 アルゼンチンでは、トウモロコシは9月から11月にかけては種され、翌3月から7月にかけて収穫されるが、2006/07年度トウモロコシの輸出登録の数量はすでに1,063万トンに達していると報告されており、これは前年同期に比べ10倍程度であると伝えられている。

 なお、2005/06年度トウモロコシについては、これまで889万トン分の輸出登録が行われているが、同決議はこれらの輸出に影響を与えない。


 (注)穀物・油糧種子などの輸出に当たっては、法律第21453号(1976年10月8日公布)により、輸出業者は輸出契約の翌日に輸出申告書を税関に登録することとされている。これは国内供給への影響を与えることなく輸出を行えるよう考慮されたものである。


業界団体は今回の措置に理解を示す

 2006/07年度トウモロコシは1,800万トン以上の生産が見込まれており、そのうち700〜800万トンが国内、残りが輸出に向けられると見込まれている。アルゼンチンは米国に次ぐ世界第2位の輸出国である。

 アルゼンチントウモロコシ協会(MAIZAR)のギア会長は同協会のニュースレターで、「輸出登録の停止は、自由な通商の制限と解釈することができるが、2005/06年度トウモロコシに対し大量の輸出登録がなされたことに鑑み、輸出登録を一時停止することは妥当と考える。今回の措置は輸出が停止された牛肉とは全く異なり、今のところマイナスの影響はない」と述べている。

トウモロコシ輸出量の推移


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