2006年10月以降、生乳生産量の減少続く


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 豪州の生乳生産量、7カ月連続で前年を下回る ● ● ●

 デイリー・オーストラリア(DA)が公表した2007年4月の豪州の生乳生産量は、前年比8.9%減の58万6千キロリットルとかなりの程度減少した。生乳生産量は、2006年10月以降、7カ月連続で前年同月を下回っており、2006/07年度(7〜6月)累計では、2006年7月〜2007年4月の生乳生産量は前年同月比4.3%減の843万キロリットルとなっている。


● ● ● 第2四半期以降、減少幅が増大 ● ● ●

 豪州では、近年の牛乳消費拡大活動が功を奏し、2002/03年度を境に落ち込んでいた牛乳消費量が上向いてきた。本年度の生乳生産量はこうした需要の増大を受け、第1四半期(2006年7〜9月)は前年同期比6.8%増の254万9千リットルとかなりの程度増加し順調な滑り出しを見せた。しかし、2006年後半から顕在化した今回の干ばつの影響が色濃く出始めた第2四半期(同年10〜12月)は、同5.5%減の319万7千キロリットルと一転して減少に向かい、2007年1〜4月は同10.3%減の272万7千キロリットルとかなりの程度減少した。このように、減少率は次第に拡大する傾向にあり、同国の生乳生産量は2年連続して前年度を下回る可能性が高い。

豪州の生乳生産量
資料:DA

 

● ● ● VIC州での生産の減少が顕著に ● ● ●

  今回の干ばつで最も大きい被害が報告されているのは、クイーンズランド(QLD)州南部、ニューサウスウェールズ(NSW)州、ビクトリア(VIC)州といった東部を中心とした地域である。

 VIC州は生乳生産の約6割を占める同国で最も酪農が盛んな地域で、放牧主体の低コストの酪農経営が行われており、今回の干ばつの影響が最も大きいとされる。同州の2006年7月〜2007年4月の生乳生産量は、前年同期比6.4%減の541万9千キロリットルとかなりの程度減少し、全体を引き下げた最大の要因となった。干ばつへの対応策として、VIC州の酪農家は一部の乳牛を近隣の州へ移動する試みをとったとされるが、これはタスマニア(TAS)州やNSW州の生産増加に寄与したものと思われる。

 そのほか同期の生乳生産量の減少が大きいのはQLD州および西オーストラリア(WA)州で、前者が同8.8%減の47万5千キロリットル、後者が同8.2%減の29万3千トンとなっており、それらの減少率はいずれもVIC州を凌いでいる。

州別生乳生産量の推移(7〜4月)
資料:DA



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