アルゼンチン、乳製品向け輸出税の制度を再び改定


粉乳以外の乳製品も対象品目に拡大

 アルゼンチン政府は4月19日、先に公布した粉乳の輸出税を原資とした酪農経営に対する補給金制度を定めた経済生産省決議第61/2007号(2月8日付け)を改正した決議第240/2007号(4月18日付け)を官報に公布した。これにより、牛乳、チーズ、バター、ヨーグルト、調整乳、ドゥルセデレチェ(牛乳を煮詰めたもの)などについても粉乳と同様に輸出額の5%を最低とし、輸出額(FOB価格)が政府の定める基準価格を超過した場合、輸出税の割合が増加する算定式に改められた。各品目ごとの基準価格については、粉乳の現在の基準価格である1トン当たり2,100米ドル(25万6千円:1米ドル=122円)を基に加減を行うことにより算出され、主な品目では、牛乳(メルコスル共通関税番号:0401.10.10)が400米ドル(4万9千円)、モッツアレラチーズ(同0406.10.10)が2,620米ドル(32万円)、バター(同0405.10.00)が1,800米ドル(22万円)などとなっている。


背景に乳製品の国際価格の上昇と国内需給のひっ迫

 今回の改正の背景には、各種チーズの国際価格が実質的に上昇していることが確認され、一方、生乳の成分比率の変更や部分的代替を行った調整乳の輸出に不正が行われようとした事例が挙げられている。このため、経済生産省では、今後の国際市場における価格の上昇と国内市場の需給のひっ迫を前に粉乳以外の乳製品も対象とすることが必要であると説明している。


好調な輸出へのブレーキとも

  一方、乳製品輸出量は、2007年に入ってからも好調を維持している。ロシアに次ぐチーズの輸出先である日本については、ゴーダおよびモッツアレラチーズを中心に前年同期に比べ4倍となる3,736トンが輸出され、輸出額は953万8千ドル(11億6千万円)と大幅な増加となっている。

 しかし、今回の輸出税の増加に加え、国内では干ばつや水害などによる生乳生産の減少を受け、ミルカウト社およびサンタロサ社が粉乳の輸出を停止したことに続き、国内最大手であるサンコール社も普通牛乳およびロングライフ牛乳の輸出自粛を公表し、さらにほかの乳業メーカーも追随する動きもあることから、今後の輸出減少は必至と見られる。

 なお、現在、粉乳の輸出価格は1トン当たり3,800〜4,000米ドル(46万4千円〜48万8千円)、チーズ(モッツアレラ)については同2,900〜3,000米ドル(35万4千円〜36万6千円)、またバターは2,000〜2,200米ドル(24万4千円〜26万8千円)で推移していることから、実質の輸出税率はそれぞれ62〜71%、10〜14%、11〜21%程度と見込まれる

乳製品の輸出量及び輸出額(2007年1月〜4月)

 


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