2006/07年度上半期の需給動向、生産減も消費は堅調


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 干ばつの影響で、12月の生乳生産量は前年同月を1割下回る ● ● ●

 デイリー・オーストラリア(DA)によると、2006年12月の生乳生産量(速報ベース)は、前年同月を10.2%下回る94万6千キロリットルとなった。単月で、2桁の減産となったのは、2002/03年度に見舞われた大規模な干ばつ以来である。2006/07年度(7月〜翌年6月)の生乳生産は、年度当初(7月)は前年度と同様、順調な滑り出しを示していた。しかし、例年、生産のピークを迎える10月に入り、干ばつの影響により減少に転じ、以降3カ月連続して前年同月割れとなっている。

 2006/07年度上半期(7〜12月)の生乳生産量では、前年同期比1.2%減の570万キロリットルとなり、数量にして6万9千リットルも下回っている。今回の干ばつの影響は、豪州の生乳生産量の65.2%(2005/06年度実績)を占めるビクトリア州や同じく12.1%(同)を占めるニューサウスウェールズ州で大きなものとなっている。豪州農業資源経済局(ABARE)が昨年12月に公表した農産品需給予測によると、2006/07年度の生乳生産量は、干ばつの影響により前年度を10.6%下回る902万キロリットルと予測している。


● ● ● 上半期の飲用乳消費量は5%の伸び ● ● ●

 豪州国内の需給動向に目を向けると、2006年12月の牛乳などの飲用乳消費量は、前年同月を2.6%上回る17万3千キロリットルとなった。また、2006/07年度上半期(7〜12月)では、前年同期を4.7%上回る107万8千キロリットルとなり、消費は堅調に推移している。

 製品別の消費動向(7〜12月)を見ると、特にロングライフ牛乳(UHT Milk)は前年同期を12.2%上回る8万7千キロリットルと高い伸びをみせており、これに乳脂肪率を1〜2%に抑えた部分脱脂乳(Reduced Fat Milk)が同7.7%増の25万5千キロリットルと続いている。なお、消費量全体の5割を占める普通牛乳(Full Cream Milk)は、同2.2%増の55万8千キロリットルとなっている。

2006/07年度上半期(7〜12月)
飲用乳の種類別消費量、前年同期増減率


資料:DA


● ● ● 上半期の輸出量4%増、輸出額4%減 ● ● ●

 2006/07年度上半期(7〜12月)の乳製品輸出動向を見ると、輸出量は前年同期を3.6%上回る46万2千トンとなった。一方、乳製品輸出額は、逆に同3.6%下回る13億1,577万豪ドル(1,263億円:1豪ドル=96円)と減少した。年度当初の生乳生産が順調であったことから、一定の輸出量が確保できたことに加え、乳製品国際相場の下落の影響が輸出額を減少させた。

 品目別では、バター(バターオイルを含む)の輸出量は、前年同期10.6%増の4万2千トンと伸びたが、輸出単価を見ると、前年同期を3割程度下回っている。

乳製品の上半期(7〜12月)輸出動向


資料:DA
 注:バターはバターオイルを含む


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