国外の需要が高く、肥育豚価格は堅調に推移


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生産増で、豚肉卸売価格は低迷 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年の豚肉生産量はと畜頭数が前年比1.1%増と増加したことや、繁殖豚が第1〜第4四半期ですべて前年同期を上回ったことなどから好調に推移した。それを受けて、2006年上半期の豚肉卸売価格は低迷し、第3四半期にやや上昇したが、第4四半期には再びすべての部位で下落した。カットアウトバリューは前年同期比0.5%安の100ポンド当たり66.1ドル(キログラム当たり179円:1ドル=123円)となった。また、部位別に見ると、ロインが同2.7%安の97.5ドル(同264円)、バラが同0.6%安の77.9ドル(同211円)、ももが同1.7%安の67.1ドル(同182円)となった。

豚肉卸売価格の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

 


● ● ● 肥育豚価格は堅調に推移 ● ● ●

 卸売価格が低迷する一方、肥育豚価格は2006年6月から連続して前年同月を上回って推移しており、2007年1月も前年同月比5.8%高の100ポンド当たり43.8ドル(キログラム当たり119円)となった(左図参照)。これは、2007年上半期の鶏肉生産量が減少する予測から、国内における豚肉需要が増加する見込みであること、米国産豚肉にとって有利な為替レートが続いており、輸出需要が継続して高いこと−などがその要因とされている。2007年の豚肉輸出量は、前年比5.3%増の142万9千トンとされており、肥育豚価格も100ポンド当たり42〜44ドル(同114〜119円)で推移するとされている。


● ● ● 継続する養豚施設の大規模化 ● ● ●

 USDAによると、2006年の豚飼養戸数は前年比2.6%減の6万6千戸となった。飼養規模別に見ると、2,000頭未満の飼養施設はすべて縮小しているのに対し、2,000〜4,999頭規模は前年比0.9%増、5,000頭以上は同4.4%増となるなど施設の大規模化が続いている。また、2006年の5,000頭以上の経営体の総飼養頭数に占める割合も53.0%から54.0%へと増加した。

飼養規模別

資料: USDA「Farms, Land in Farms, and Livestock Operations 2006 Summary」


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