アルゼンチン、農畜産部門への助成制度を制定


新たなインフレ抑制策を制定

 アルゼンチン政府は1月12日、小麦、トウモロコシ、大豆、ひまわりを原料とする製品を国内市場で販売する企業に対する助成制度を定めた経済生産省決議第9/2007号(1月11日付け)を公布した。決議では、制度制定について「穀物および油糧種子が国際市場で高騰を続ける中、生活基本食料品の国内価格安定が政府の重要課題である一方、農業部門が国内供給を支え、輸出を拡大し成長することも重視しているため」と説明している。

 この制度は国立農牧取引管理事業団(ONCCA)が管轄し、実施に必要な細則を定める権限を有することとされる。補助金の受給申請を行おうとする企業は、ONCCAの作成する登録簿に登録し、生産資材の購入と製品の販売を証明する書類を提出しなければならない。

 対象となるのは、これらの穀物を原料として用いる畜産経営、製粉業、油脂製造業などである。補助金の受給者は、農牧水産食糧庁が定期的に発表する製品の市場価格と経済生産省が公表する国内供給価格との差額を国内市場向け出荷量に応じて受け取る。補助額の決定については、2005年12月1日から2006年11月30日までの間にONCCAに報告、登録された数量を対象とするとしている。

 なお、1月12日付け同省決議第19/2007号により定められた国内供給価格は次の通り。


大豆の輸出税を引き上げ

 この助成制度の原資となるのが、大豆の輸出税引き上げにより得られる税収と国庫からの拠出金による基金とされる。ミチェリ経済相は「大幅な収穫増と国際価格の上昇により農畜産輸出部門が40億米ドル(4,920億円:1米ドル=123円)の追加所得を得ること」を根拠に同日、同省決議第10/2007号により、大豆の輸出税を4.0%引き上げることを決定した。これにより、大豆の輸出税は現行の23.5%から27.5%へ、大豆油と大豆粉は同20.0%から24.0%に引き上げられる。報道によると、現在、政府は農畜産部門から約30億米ドル(3,690億円)の輸出税を徴収しており、このうちの20億米ドル(2,460億円)が大豆によるものとされる。今回の輸出税引き上げにより、徴税額は4億米ドル(492億円)の増加が見込まれている。


関係団体は引き上げに強く抗議

 この決定に対し、養鶏業、養豚業、フィードロット部門は制度の実施について疑問を表明したものの、概してこの措置を歓迎しているが、農業関係団体は政府のこの決定に反発を示している。アルゼンチン農牧連盟(CRA)は、「穀物の国際価格と輸出価格の上昇により、生産者の懐に手を入れずに実施できるほかのシステムを構築する可能性があった」とコメントしたほか、アルゼンチン農牧協会(SRA)では、「対話なしに突然にこの措置をとったことを遺憾に思う。このシステムは実施が困難で、長期的な成功はあり得ない。予測可能性を失わせ、投資意欲を減退させるものだ」と輸出税引き上げ措置に対する全面的な反対を表明した。さらにブエノスアイレス州およびラパンパ州農牧連合会(CARBAP)は「政府の対話否定と恣意的破壊的態度に対し、今後取るべき行動を検討する」などと表明している。


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