供給過剰で豚生産者価格が下落 ●タ イ


供給過剰により豚価格が下落

 昨年12月中旬、タイ養豚協会(SRA)は、豚の過剰生産により、豚の生産者価格が下落しており、2005年以降は1キログラム当たり44〜55バーツ(150〜187円:1バーツ=3.4円)であったものが、36〜38バーツ(122〜129円)に値下がりしていると発表した。需要の回復により下落した肉豚価格を引き上げるためには、90バーツ台に値上がりした小売価格を70〜72バーツ(238〜245円)の現実的な価格に引き下げることが国内取引局(DIT)に求められているとしたほか、母豚のとうたを行うとともに、肥育豚を減らすため子豚を丸焼きなどの製品に加工すること、そして「2キログラムで100バーツ(340円)」のキャッチフレーズで全国的な消費キャンペーンを行うべきだと主張した。同国の豚農家販売価格(生体100キログラム以上)は、図のように昨年後半から低落傾向となり、速報値であるが、年末から今年の1月にかけてはこの三年間での最低水準にまで大きく下落している。


SRAは大手の生産増が供給過剰要因と主張

 SRAは、供給過剰の原因は大手養豚企業の生産過剰で、通常は中国正月に向けて豚肉供給を控えることが業界でルール化されていたものの、大手はこれを無視していると指摘した。また、そのほかの理由として、(1)鳥インフルエンザ(AI)発生によって、飼養家畜を鶏から豚へ変更したこと、(2)豚価格が高水準であったために、周辺国への輸出が低調となり、国内への供給が増加したこと、(3)価格低下を予想した生産者が売急いだこと、(4)飼料価格が高いため、肥育完了前に販売したこと−などが挙げられている。


物価統制法の発動も検討

 このような豚価格の下落に関して、商務省(MOC)は、1999年物価統制法(Service and Good Price Act 1999)の発動を視野に入れているとし、豚の生産コストが1キログラム当たり40〜42バーツ(136〜143円)に対して、販売価格が32〜33バーツ(109〜112円)の水準を下回った場合には、懲役刑または罰金による取り締まりも必要であると表明した。また、同時に、SRAに対して母豚とうたの計画を求めるとともに2月の中国正月期間にDITが豚肉の販売キャンペーンを計画していることや豚肉製品の多様化の必要性についても言及した。


加工業者にも支援が必要

 1月中旬、大手養豚企業でもあるベタグロ社は、業界全体の生産調整抜きには、消費キャンペーンも子豚の製品化も効果はなく、政府の早急な頭数減少への抜本的措置がなければ、母豚の自然減を待つことになり、影響は1年以上に及ぶと指摘した。また、AI発生により豚肉消費が増えたため、無計画に生産規模を拡大したことに供給過剰の原因があるとしている。さらに、畜産開発局(DLD)へ登録された母豚の頭数は現在100万頭となっており、適正頭数である70〜80万頭を大きく超え、これは自己中心の経営の結果であるとした。また、同時に、政府は食肉加工分野へも支援を行うべきで、そのことが豚価格問題を解決する助けになると訴えた。

豚生産者販売価格と豚肉小売価格


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